2022年5月26日にGoogleはコアアップデートをおこないました。アップデートの完了には1週間~2週間ほどかかるといわれておりますので、6月1週目ころまで順位変動をする可能性が高いものの、今回のアップデートの傾向は26日時点で大きく現れました。

今回のコアアップデートは特に顕著で、ドメイン貸し型のサイトに取って大きな打撃を受けたケースが多くなっております。また、ドメイン至上主義だったものがコンテンツ評価型にシフトした傾向が強く見られたため、一言でまとめれば、順当に運営をしているサイトを高く評価しているといえます。

 

コアアップデートとは

コアアップデート(コアアルゴリズムアップデート)とはGoogleが定期的におこなう検索アルゴリズムの大幅変更のことです。多くの場合、コアアップデートは初日から3日程度の間に大きく変動し、徐々に動きが緩くなっていき、2週間を目途に完了します。

Googleは検索エンジンの結果を非常に重視しているため、細かな調整であれば検索アルゴリズムは毎日のようにおこなわれています。しかし、広範囲なアップデートについては、経験上1年間に2回~4回ほどおこなわれることがわかっています。

以前はコアアルゴリズムがいつ起こるかはわかりませんでしたが、2019年6月4日のコアアップデートからGoogleの公式Twitterアカウントにより事前告知がされるようになりました。

 

コアアップデートの歴史

コアアップデートは毎年、定期的におこなわれていますが、直近3年間(2019年~2021年)では年に3回ずつ実施されました。間隔も等間隔ではなく、1ヶ月ほどで次のアップデートが来たり、200日近くアップデートが来なかったりしています。

特に有名なアップデートにはパンダアップデートとペンギンアップデートがあり、ジャンルを問わず、極めて大きい動きをしたことが有名です。

コアアップデートが来るたびにTwitterやブログでは大きく落ちた、大きく伸びたと騒動がありますが、Googleの基本的な考えは以前から一度もぶれたことはありませんので、ユーザーファーストに徹することが肝心です。

 

コアアップデートを判断する方法

以前はコアアップデートを明確に判断する方法はありませんでした。しかし、2019年6月4日のコアアルゴリズムアップデートからはGoogleの公式TwitterでGoogle Search Central Blogが更新されたことを通知します。

今回でいえば、2022年5月のコアアップデートがリリース されたことがブログに書いてあります。(参考:May 2022 core update releasing for Google Search

ただし、今後もTwitterで必ず更新されるとも限りませんので、自身のサイトの順位については常に確認する必要があります。

 

各SEOツールの動き

Google公式ではないにしても、各SEOツールを使うことで大きな変動があったかどうかを確認することは可能です。

各社、集めているキーワードが異なりますので、グラフが一致することはありませんが、ほとんどの場合で大きく動くタイミングは一致します。そのため、複数のツールを見比べて大きく動いているようであればコアアップデートと類推することはできます。

 

mozcast

上図はmozcast(モズキャスト)で見た直近90日のGoogle変動の動きです。赤枠内(5月26日~5月30日)が直前よりも大きく動いていることがわかります。

 

serpmetrics

上図はserpmetrics(サープメトリックス)で見た直近30日のGoogle変動の動きです。26日時点で非常に大きく動いていることがわかります。

 

Semrush Sensor

上図はSemrush Sensor(セムラッシュセンサー)で見た直近30日のGoogle変動の動きです。こちらでは5月25日の時点から少し大きく動いており、5月27日をピークに激しく動いていることがわかります。

※25日時点ではコアアップデートは始まっていません。

 

AccuRanker

AccuRanker(アキュランカー)はほかのツールと比べても、特に顕著に5月26日の動きを表しています。

 

Algoroo

Algorooも5月27日に非常に大きく動いていることを観測しています。

 

2022年5月26日コアアップデートの傾向

2022年5月26日に2022年第1回のコアアップデートが発生しました。大変動の結果、大枠次のような動きがあることがわかっています。

 

  1. 1.ドメインの評価の比重が下がった
  2. 2.コンテンツ評価の比重が上がった
  3. 3.ドメイン貸しサイトが大きく下がった

 

ドメインの評価が下がった

2020年前後はE-A-T(イート)が非常に重視されるようになったことで話題になりました。E-A-TとはExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取った造語で、誰が発信した情報なのか、発信元は信用できるのか、専門性のあるサイト(コンテンツ)なのかを重視していました。

そのため、コンテンツがどれだけ良くても新規サイトやジャンルが異なるサイトでは評価がされづらかったのですが、今回のアップデートでドメインの強さの比重が下がった傾向が強くみられています。

つまり、今まではコンテンツがそこまで良くなくてもドメインさえ強ければ高い順位が取れていましたが、今回のアップデートによりドメインが強いだけでは高い順位が維持できないことが多くなったということです。

 

コンテンツ評価の比重が上がった

ドメインの評価が下がった代わりに、評価の比重が重くなったのがコンテンツです。

以前よりコンテンツの重要性は注目されていましたが、今回は再認識されたイメージです。ただし、評価されるコンテンツの傾向を細分化してみてみると、テキストの専門性、わかりやすさはもちろんのこと、画像による理解の促進、構造化データ、著者情報など単にコンテンツを作って投稿しただけのものではなく、しっかりと作り込まれたものが評価されています。

以前よりコンテンツは重要視されてきましたが、今後はますますユーザーのためのコンテンツが求められるようになっています。

 

ドメイン貸しサイトが大きく下がった

今回のアップデートはドメイン貸しサイトのメディアが大きく下がった傾向が非常に大きく出ています。以前よりドメイン貸しによるリスクは指摘されてきましたが、今回のアップデートでドメイン貸し対策が取られたようにも感じます。

ドメイン貸しとは、ドメインが強いサイトのサブディレクトリにまったくジャンルの異なるメディアを作って集客する行為のことです。例えば、医療系で強いドメインがあった場合に、そのドメインの配下でクレジットカードのような強ドメインでしか戦えないようなジャンルのメディアを作ることです。

通常、企業のドメインの下にまったくジャンルの異なるメディアを作ることはありませんが、一部の悪質なWEBマーケティング会社の提案によりドメイン貸しをおこなうことは珍しくありません。

ドメイン貸しをおこなうことで自社のブランドを傷つけることにもなりますので絶対におこなってはいけない行為です。

なお、企業ドメインの配下にメディアを立ち上げること自体は頻繁にみられる行為です。これは正当なものですが、Googleは自社が運営しているのか、他社が借りて運営しているのかを明確に見分けたうえで順位を下げたような動きをしています。

推測ではありますが、運営者情報をしっかりと明記し、自社商品に関連があるかどうかを内部リンク、発リンク、導線などを見たうえで総合的に判断しているものと思われます。

 

コアアップデートの対策方法

コアアップデートがあるたびに傾向と対策が出てきますが、やるべきことは以前からほとんど何も変わりません。Googleのガイドラインを十分に理解したうえで下記のことを実践することが重要です。

 

  • ・良質なコンテンツを継続して配信する
  • ・信頼性、権威性を高める
  • ・SEO以外の施策も同時におこなう
  • ・UI/UXを改善する

 

良質なコンテンツを継続して配信する

良質なコンテンツを配信することは以前から重要視されていますが、「継続して」配信することはそこまで重要視されてきませんでした。

サイトの更新性とSEOは関連が薄いといわれてきましたが、今回のアップデートにより情報の最新性も評価基準に加わった(以前よりも重みが増した)ことが類推されます。ユーザーにとっては古い情報が載ったままでは信頼性に欠けると判断されたためだと思われます。

 

信頼性、権威性を高める

信頼性と権威性を高めることは、この数年継続して指摘され続けたことです。ドメインの比重が弱くなったとしても、現状も権威性の高いサイトの評価が高いことは間違いありません。

そのため、内部対策とコンテンツ以外にも外部対策も積極的におこなう必要があります。

 

SEO以外の施策も同時におこなう

SEOの評価を上げるためにはSEO以外の施策もおこなう必要があるのが2022年です。特に広報活動はSEOの底上げに非常に効果的です。将来的な指名検索を増やすためにも、SEOに直接関係のない行動量を増やすことが求められます。

 

UI/UXを改善する

UI/UXの改善も以前から指摘されてきたことです。しかし、今回のアップデートで上昇傾向があるサイトを見るとユーザビリティに配慮されたサイトであることがわかります。

表示速度が速い、コンテンツがどこにあるのかわかりやすい、導線が明確であるなどの項目は機械的な判断はむずかしくとも直帰率や滞在時間に影響します。Googleアナリティクスのデータは参照にしていないものの、Googleは独自の指標で直帰率や滞在時間を読み取り、評価に反映していることが考えられます。

 

コアアップデートで順位が下がったときの対処法

コアアップデートで自社サイトの順位が大きく下がってしまうと、目の前が真っ白になり、どうしてよいのかわからなくなります。短期間での回復はむずかしくとも、次のアップデートに備えて準備を進めることが肝要です。

そもそもSEOは短期では効果は出ません。長期目線で将来のことを見据えることが重要です。

 

静観する

対処法に静観するとあるのは違和感がありますが、実際にコアアップデートが起きたときには静観するのが重要です。コアアップデートは最初の数日で大きく動き、その後ゆっくりと変動しながら2週間ほどで完了することが一般的です。

この2週間の動きのなかで最初の数日で大きく落ちたものの、その後徐々に復帰し、2週間後には元に戻るということは過去の事例でも確認できていますし、今回のアップデートで大きく落ちたとしても次回のアップデートでは大きく上がる可能性もあります。

Googleの考え方は変わっていなくても、さまざまな指標の比重を変えていることにより大きな揺らぎになっている可能性があるため、今は悪い順位だったとしてもユーザー目線で改善を続けることが重要です。

 

リライトする

コンテンツのリライトは極めて重要度の高いSEO施策です。コアアップデートが完全に終了したあとに順位が上がった競合サイトと下がった競合サイトを比較し、要素分解することで要因が見えてくることがあります。

コンテンツに単に追記するだけでは効果は怪しいですが、最新情報に書き換える、不要な情報を削除する、より詳しく書く、画像や動画で説明するなどのようなリライトは非常に有効な手段です。

 

UI/UXを改善する

UI/UXはSEOの重要な部分を占めています。コンテンツがどれだけ優れていてもサイトの内部対策を疎かにしていては効果は望めません。特にUI/UXが改善することで現状のユーザーの満足度やCVRを上げることにつながりますので率先しておこなうべき施策です。

 

次のコアアップデートに備える

一般的にコアアップデートで落ちたサイトはコアアップデートでしか回復しません。そのため、今回のコアアップデートで悪化した場合には数か月後のアップデートに備えて、内部対策、コンテンツ、UI/UXなどを改修する必要があります。ただし、次回のアップデートで回復するとも限りませんので、やはり長い目で見ることが重要です。

 

SEOコンサル会社に相談する

SEOコンサル会社はクライアントのSEO対策を専門におこなっていますので、アップデート後に相談することで知見を共有してもらうことが可能です。ここで重要なのはSEOコンサル会社に依頼するのではなく、相談することです。

SEOコンサル会社もさまざまです。今回のアップデートで大きな制裁を受けたドメイン貸しは一部の悪質なSEOコンサル会社も絡んでいます。そのため、SEOコンサル会社だから安心できるというわけではありません。

相談したうえで十分に話ができ、自社では対応がむずかしいと思ったときに初めて依頼を検討すべきです。

なお、株式会社AdAIもSEO対策を専門の1つにおこなっているWEBマーケティング会社です。コアアップデートの情報も随時収集しておりますので、相談いただくことでサイトの改善点が見えるかもしれません。

 

まとめ

2022年5月26日のコアアップデートはドメインとコンテンツの評価基準を改め、ドメイン貸しに大きな制裁を加えたアップデートといえます。しかし、ドメイン貸しは以前からリスクが高い施策であることが指摘されていましたので、なるべくしてなったといえるのが業界の総意なはずです。

また、ドメイン偏重型だった検索結果もコンテンツの比重を上げてもらったことで本当の意味での対策がしやすくなったといえ、全体的には良い方向に改善されたといえるアップデートです。

しかし、ドメインとコンテンツのバランスは極めて不安定であることは間違いなく、コンテンツを重視しつつもドメイン強化をおこなう手法は必須です。内部対策、外部対策、コンテンツの3つの柱はSEOの基本ですので、どれか1つでも欠けることのないように継続した施策が望まれます。