オウンドメディアはOwnedの名称のとおり、企業が所有するメディアのことです。

本来の意味でいえば、企業が持っているサイトであれば公式サイトでもリクルートサイトでもオウンドメディアになりますが、狭義では情報を発信し続けているサイトをオウンドメディアと呼んでいます。

オウンドメディアにはメリットが大きく、インターネット集客を実践するうえでは非常に強力な武器になりますが、一方では集客できているにもかかわらず閉鎖するオウンドメディアもあります。

わかるようでわからないオウンドメディアについて、ローカルアドがご説明いたします。

オウンドメディアとは

オウンドメディア(Owned Media)とは、本来の意味では自社が所有しているサイトのことです。

つまり、公式サイト、ブログ、リクルートサイト、Twitter、Facebookなど企業が所有しているあらゆるサイトはオウンドメディアということになります。しかし、日本では狭義の意味である企業が運営するウェブマガジンという意味で使うことが多い用語です。

ペイドメディア、アーンドメディアと合わせてトリプルメディアとも呼ばれ、相互に作用させることで効率的にWEB集客ができる情報配信手法です。

 

トリプルメディアとは

引用元:株式会社アナグラム(こっそりメディア論)|https://www.kossorimedia.com/entry/2018/01/02/130841

オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアの3つのメディアを合わせてトリプルメディアと呼びます。

ペイドメディア(Paid Media)は名前のとおり、支払う(Paid)ことで成り立つメディアのことです。具体的にはリスティング広告、ディスプレイ広告、テレビCMなどのことです。

アーンドメディア(Earned Media)は信頼を得る(Earned)ためのメディアのことで、SNSや報道による情報発信のことを指します。

近年ではアーンドメディアをさらに2つに分け、企業による報道をアーンドメディアと呼び、消費者によるSNSや個人ブログなどの報道をシェアードメディア(Shared Media)と呼び、Paid・Earned・Shared・Ownedの4つのメディアの総称をPESOモデルと呼ぶことがあります。

 

オウンドメディアの強みと弱み

オウンドメディアの強み(メリット)の詳細は後述しますが、コンテンツそのものが資産になり、継続性があることです。対して、オウンドメディアの弱みは即効性に乏しく、運用が大変なことが挙げられます。

オウンドメディアはコンテンツを作り、検索エンジンに登録して検索してもらって流入するという性質上、どうしてもSEO観点で時間がかかります。記事数によりますが、きちんと効果を出すには最低でも50記事は必要だと考えてください。

仮に月に10本のコンテンツを配信しても50記事溜まるには5か月かかります。つまり、企業がオウンドメディアをやるには5か月間は効果が出なくても上長に承認してもらう必要があるということです。

しかも、5か月で効果が出る保障もありませんので、その意味でも社内調整にはかなりの労力が必要です。

ただし、リスクを考えても有り余るほどのメリットがあることも多いのがオウンドメディアです。時間がかかる、予算がかかる、社内調整が大変というネガティブな点はありますが、ポジティブな点を考えて実行するかどうかを決める必要があります。

 

オウンドメディアに成功するには

引用元:マーケジン|https://markezine.jp/article/detail/32595

オウンドメディアに成功するための要素はたくさんありますが、最低でも必要な成功要素は次の4つです。

 

  • ・目的が明確
  • ・社内理解がある
  • ・短期間で結果を求めない
  • ・コンテンツ制作ができる

 

目的が不明確な情報発信は決してユーザーの心を掴みませんし、記事の終わり方もあやふやになりがちです。ある程度の長期目線で検討してくれる社内理解がないとメディア運営以前の問題があります。

また、メディアという特性上、コンテンツ制作が必須ですが、コンテンツを作るだけのチームがなければ成立しません。

SEOあるあるですが、オウンドメディアでは特に最大の壁はGoogleではなく上長承認だ言っても過言ではありません。

オウンドメディアに取り組むメリット

企業がオウンドメディアに取り組むメリットは大きいですが、特に大きいものが次の4つです。

 

  • ・広告宣伝費の削減
  • ・ブランディング強化
  • ・顧客のロイヤルティ向上
  • ・エリアに制限されない

広告費用の削減

WEB集客を行う上でまず頭に浮かぶものがWEB広告です。WEB広告は即効性が非常に高く、分野によっては非常に大きな効果が見込めます。しかし、広告費用を削減すれば効果は一気に落ちますので、広告だけで集客する場合には継続したコストを覚悟する必要があります。

対して、オウンドメディアによる集客では初期費用としての制作費やコンテンツ制作コストはかかりますが、ある程度軌道に乗ればコストを抑えたまま継続した集客が見込めます。

結果、広告費用を抑えることができますので、トータルではコスト面で得をすることになります。

ブランディング強化

引用元:ナイル株式会社(SEO相談室)|https://www.seohacks.net/blog/9086/

オウンドメディアの大きなメリットとしてブランディングができることが挙げられます。

テーマを絞って専門性の高い情報を発信し続けることは、ユーザーに専門家として認識されるようになり、自然と頼られることになります。ユーザーはコンテンツを読めば読むほど配信元を信用するようになりますので、自然とナーチャリング(潜在顧客から見込み顧客へ、見込み顧客から既存顧客へと引き上げていくこと)ができるようになります。

 

顧客のロイヤルティ向上

商材によっては顧客は継続して商品を購入し続けることになります。継続して購入してくれるユーザーはロイヤルティの高いユーザーですので、企業にとって極めて重要度が高い顧客です。

オウンドメディアを展開することでユーザーは自然と企業に対する信頼を寄せるようになり、継続したお付き合いが期待できます。つまり、顧客のロイヤルティのためには売って終わりではなくメルマガ、定期的なメンテナンスなどのほかにもオウンドメディアという手段で継続性を高めることができるようになります。

エリアに制限されない

ユーザーは知っている中で商品を購入します。当然知らないところからは購入しません。Amazonや楽天ほど有名になれば自然とアクセス後に購入するということがありえますが、知名度が高くない場合には広告による自社アピールが必要です。

しかし、ユーザーは何か困ったことや知りたいことがあれば検索をしますので、その際に自社のコンテンツが表示されれば購買確率が上がります。インターネットの世界では現実の場所は関係ありません。たとえ、過疎地であっても都心からのアクセスや購買は見込めます。

時間と場所を選ばないことがインターネットの強みですので、オウンドメディアにより十分に活用できます。

 

オウンドメディアの始め方

インハウスでオウンドメディアを立ち上げる場合、何をするかを明確にする必要があります。サイト運営、情報発信ですのでサイト制作とコンテンツさえあればとりあえず始めることはできますが、最初に決めておかないと撤退を余儀なくされるということを覚えておく必要があります。

 

ゴール設定

オウンドメディアで最初に行うべきはゴール設定です。メディアから問い合わせにつなげ、売上を立てるというのも非常に重要なゴールですが、メディアの目的は必ずしも売上だけではありません。

 

  • ・認知度の向上
  • ・リード(見込み客)の獲得
  • ・リードナーチャリング(見込み客の育成)
  • ・エンゲージメント(顧客との接触)の増加
  • ・ロイヤルティ向上

 

たとえば、上記のようなゴールが考えられます。メディアに限らず、サイト制作の前には必ずサイトの目的が必要ですので忘れずに検討してください。

 

ペルソナ設定

ゴールが定まったら、次に行うべきはペルソナです。ペルソナとはこんな人が商品を買ってくれるだろうという想定で作った「架空の個人」のことです。

ペルソナ設定をせずにメディアを立ち上げる企業も数多くありますが、コンテンツを誰に対して書くのかをしっかりと考える必要があります。

また、ペルソナと同時にターゲットも考えるべきです。ターゲットとはこういう層を対象に情報を発信しているという「実在する集団」のことです。

わかりやすくいえば、ペルソナは特定の個人(例えば、昨日最後にお店に来たお客さんを思い出してください)に対して、ターゲットは30代男性会社員のように少し広い意味で考えた顧客のことです。

 

コンセプト設計

当然といえば当然ですがメディア運営するには目的があります。つまり、コンセプトがはっきり決まっているはずです。とりあえず情報発信しておこうと思っていても、配信するコンテンツは他社の内容と似通ったものになることは容易に想像できます。

これは自社のコンテンツでなくてもユーザーの悩みを解消できるということを意味していますので、情報発信としては失敗です。

有名な例ですが、高級車の代名詞とも呼ばれるベンツはMercedes-Benz LIVE!というメディアを展開しています。普通のメディアはユーザーの悩みや疑問を解消する情報発信をしますが、ベンツのすごいところは自社の商品と紐づけた情報発信をしているところです。

自動車のメディアであれば、普通は「自動車の選び方」や「よい自動車の見分け方」、「自分に合った自動車の探し方」のような問題解決記事を思い浮かべますが、ベンツの場合には自社メディアに来るユーザーは最初から「ベンツが欲しい」というニーズを持っているということをわかって配信しているメディアだからこのようなことができます。

ここまで尖ったコンセプトは珍しいですが、情報発信するときには「誰に」対して「どのようなコンセプト」の情報を発信するかは非常に重要です。

カスタマージャーニー設計

カスタマージャーニーとは顧客(カスタマー)が商品を知ってから購入するまでの旅(ジャーニー)をする軌跡のことです。

カスタマージャーニーを可視化したものをカスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map、略称CJM)と呼び、CJMを作ることは顧客理解のために非常に重要です。

CJMにはさまざまなフレームがありますが、一般的には認知、興味関心、比較検討、購入のステップを踏みます。それぞれのフェーズでユーザーが何を考え、どのように思い、商品とのタッチポイントは何かを考えることで自然と必要なコンテンツが見えてきますのでメディア運営に役立てることができます。

サイト制作

ゴール(目的)、ペルソナ(誰に)、コンセプト(どのように)、カスタマージャーニーが定まったら、いよいよサイト制作です。

どのような記事が必要かは見えているはずですので、どのようなカテゴリ設定にするのか、どのような機能で使いやすくするのかをサイト制作会社と検討する必要があります。

オウンドメディアの立ち上げを自社内だけで最初からチームで行うことは稀です。普通は1名~3名の社員にサイト制作会社やコンテンツ制作会社が協力して作るのが一般的です。

本メディア(ローカルマイビジネス)もコンセプト設計1名、サイト制作1名、コンテンツ制作1名ではじめたメディアです。このくらい少人数でもオウンドメディア立ち上げは十分に可能です。

 

オウンドメディア立ち上げに困ったら

オウンドメディアについてご紹介しましたが、実際にインハウス担当者にオウンドメディア立ち上げのプロジェクトが振ってくれば困るのが普通です。

やることは多いのですが、何をどの手順でやるのか、外注する場合の費用はどのくらいなのかもわからないので当然といえます。

もしオウンドメディア立ち上げに困った際にはローカルアドにご相談ください。サイト制作、オウンドメディア立ち上げ・運営支援、コンテンツ制作などあらゆる場面で協力できるはずです。