SEOは言葉の意味を考えれば検索結果から流入を増やすことだけを指します。しかし、検索結果を改善するだけではなく、SEO担当者はSEO以外の部分にも目を向けなくてはいけません。

マネタイズできないSEOに意味はありません。そのための手法として積極的にコンバージョン率最適化(CRO)にも取り組む必要があります。

SEOと切っても切り離せないCROについてAdAIがご説明いたします。

 

コンバージョン率最適化(CRO)とは

引用元:https://ads-promo.yahoo.co.jp/service/start-articles/basic/what-cro/|Yahoo!広告

あらゆるWEBサイトには目的があります。多くは問い合わせ数や販売数などをコンバージョンとしています。その目標がどれだけ達成できたのかがコンバージョン率(CVR:Conversion Rate)ですが、このCVRを最適化するのがCRO(Conversion Rate Optimization)です。

昔ならいざ知らず、現在ではランディングページ最適化(LPO:Landing Page Optimization)やエントリーフォーム最適化(EFO:Entry Form Optimization)などはSEO担当者の領域です。

一般にCVRを改善するだけであれば、CVに繋がらないページを排除するだけで可能ですが、ページを排除するということはSEO集客と相反することがありますので話はそんなに単純ではありません。サイトの質を担保しつつ、流入数を上げ、サイトの全体最適化をする必要があるのです。

 

よくあるCRO施策

引用元:https://www.assion.co.jp/blog/webkaizen/

代表的なコンバージョン率最適化には次のような手法があります。

 

  • ・A/Bテスト
  • ・CV経路の改善
  • ・CTAの改善
  • ・集客キーワードの改善
  • ・費用の表記方法の改善
  • ・ホワイトペーパーの提供
  • ・事例紹介
  • ・ランディングページの改善
  • ・エントリーフォームの改善

 

A/Bテスト

引用元:https://digital-marketing.jp/access-analysis/what-is-abtest/

A/Bテストとはページの特定の1か所だけを変えてどちらがよいのかをテストする手法です。キャッチコピー、誘導文、色、画像など様々な個所をテストする必要があります。

一定期間または一定流入数という閾値を設け、複数パターンを繰り返すことで自社なりの勝ちパターンを見つけることが可能になります。

AmazonはA/Bテストを頻繁におこなっている企業として有名ですが、CEOのジョフ・べゾスは「実験の回数を100回から1,000回に増やせば、イノベーションの数も劇的に増える」という言葉を残しています。

試験回数が成功の確率に強く影響する事例です。

 

経路の改善

集客したページからどのような経路をたどってコンバージョンしたのかを分析し、改善する手法です。SEOで上位表示ができアクセスが集まっても離脱してしまっては意味がありません。ユーザーをうまく誘導することで改善が見込めます。

コンバージョンしたユーザーがどのページにランディングしたのか、そこからどのように遷移したのかはGoogleアナリティクスを代表とする分析ツールを活用して追うことができます。

 

CTAの改善

CTAとはCall to Action(コールトゥアクション)の略です。記事の途中や最後、サイドバーなどにコンバージョンを促すバナーや文言を見かけますがこれがCTAです。ユーザーがクリックしたいと感じるだろう場所に設置し、A/Bテストを繰り返す必要があります。

 

集客キーワードの改善

せっかくSEOで集客しても離脱率が高い場合にはページの改修が必要です。しかし、改修をしても離脱率が改善しない場合にはそもそもCVに寄与しないキーワードで集客している可能性があり、CVRの高いページなのか、低いページなのかを判断してキーワードを見直す必要があります。

ただし、CVRが低いページだからといって削除してしまうのは早計です。SEOの観点では、アクセスが少なかったり離脱率が高かったとしても存在することそのものに意味があるページも存在します。

ページの削除はサイトパワーの低下にもつながりますので、全体最適化を正しく施す必要があります。

 

費用の表記方法の改善

せっかく興味を持ってくれたユーザーに対して費用が明確でなかったり、オプションが複雑だったりすると問い合わせ前に離脱されてしまう可能性を挙げてしまいます。費用の表記が簡素過ぎてトラブルになっても困りものですが、あまりに細かく書いてもCVハードルが上がるだけです。

すべてのパターンを出すのではなく、ある程度数を絞って商品をアピールすると同時に魅力を感じさせることが重要です。

 

ホワイトペーパーの提供

引用元:https://shoveln.com/column/5fab5af9442e6

ホワイトペーパーを提供して見込顧客とつながるのは将来的にコンバージョンに寄与することが多く、推奨されています。ホワイトペーパーをダウンロードする際にメールアドレスを登録させていますが、これはメルマガを配信してナーチャリングをしているためです。

高品質なホワイトペーパーを配布していれば、ユーザーのアクセス回数も多くなるため早い段階での対策が求められます。

 

事例紹介

問い合わせや購入をすることで自分の問題をどのように改善できるのかをユーザーにイメージさせることでCVR改善につながります。単純な事例紹介でも構いませんが、可能であればユーザーへのインタビュー動画を差し込むことで滞在時間も伸び、ユーザー理解も進みます。

 

ランディングページ(LP)の改善

広告を出している場合には広告の内容とLPの内容に乖離がないようにすることは必須です。ファーストビューでイメージと違った場合には即離脱ということもありえます。

しかし、イメージに乖離がなかったとしても、キャッチコピー、色、見出し、問い合わせフォーム、画像など些細な要素が理由で問い合わせが増えたり、減ったりします。

細かなA/Bテストを繰り返して数値分析を繰り返す必要があります。

 

エントリーフォームの改善

エントリーフォームには名前、連絡先、問い合わせ内容などを入力してもらうのが一般的です。フォームによっては複数の質問事項があることもありますが、ユーザーに入力しやすいように工夫し、ストレスを感じさせない対応は必要です。

特に入力項目の多さは離脱率に影響しますので、可能な限り敷居を下げて問い合わせを増やすのか、意図的に敷居を上げて成約率を上げるかは戦略が必要です。

 

CROはSEOにつながる

CROとSEOは異なる分野ではありますが、今はSEO担当者もCROを知らなければいけない時代です。成功パターンが確立されているわけではなく試行回数が結果を出すケースが多く、SEOで順位を上げながら流入したユーザーを問い合わせに正しく導くことがSEO担当者の業務です。

CROとSEOの改善内容が一致することはありませんが、近しい領域であることは間違いなく、ユーザー体験が向上することがサイト改善につながるのであればCROの結果がSEOにつながることは考えられます。