コンテンツSEOとは、高品質なコンテンツを発信することで検索エンジンから集客をするマーケティング手法です。短期で成果を上げることはむずかしいものの、中長期では会社のブランディングや安定した集客につなげることができるため、WEB集客を意識する場合には早期に着手すべき戦略です。
コンテンツ制作はインハウス対応と外注のどちらでも対応可能ですが、専門性の高さを優先するのであればインハウス対応、記事の量産が必要であれば外注が効果的です。成果が出るまでには数か月~数年かかるのが一般的ですので投資対効果を加味した中期戦略の策定が求められます。
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOとは、SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)の一種で、コンテンツを発信することで検索エンジンから集客をするマーケティング手法です。
SEOには下記の3種類があります。
- 1.内部対策(オンページSEO)
- 2.外部対策(オフページSEO)
- 3.コンテンツ対策(コンテンツSEO)
コンテンツSEOでは検索クエリに対してのコンテンツを用意し、SEOで上位表示させる施策をおこなうことで、アクセス数の増加を狙います。
現在、検索エンジンでは、ユーザーの役に立つ情報が載っている質の良いコンテンツかがSEOの表示順位に大きく影響をします。ユーザーの検索意図を適切に理解し、その検索意図に沿ったコンテンツを用意することが重要です。
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違い
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングは似ていますがまったく異なるものです。
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを使って、見込み顧客とのコミュニケーションを図り、売上を上げるマーケティング手法です。コンテンツマーケティングでは、集客だけでなく、見込み顧客の育成やクロージング、リピーターの獲得など、幅広い領域を担います。そのため、記事の作成だけでなく、メルマガやSNS、広告など、さまざまな媒体を使います。
一方で、コンテンツSEOとはコンテンツを作成し、検索上位にコンテンツを表示させて、検索流入数の増加を図る手法です。対象は指名検索を除き認知のない潜在層のユーザーとなります。そのため、媒体も記事が多くなる傾向にあります。
コンテンツSEOはコンテンツを用いるという点ではコンテンツマーケティングと共通していますが、目的や手法、媒体が異なります。
即効性のある施策ではない
コンテンツSEOとは、即効性のある施策ではありません。
コンテンツSEOはすぐに顧客数が増えたり、売上が増えたりするような施策ではありません。コンテンツを公開してから、Googleのクローラーと呼ばれるWeb上を巡回するロボットに認知され、評価されるまでに時間を要します。
また、コンテンツSEOを始めた初期段階ではコンテンツ数が少なく、検索エンジンには評価されにくいため、集客数も伸びづらい傾向にあります。コンテンツの制作から結果が出るまでに、4か月〜1年の時間がかかります。
成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。
引用元:SEO業者の利用を検討する(Google検索セントラル)
最新の情報へのリライトやメンテナンスが必要
コンテンツSEOでは、ユーザーが求める質の高いコンテンツを公開する必要があります。そのため、最新の情報へリライトするメンテナンスが定期的に必要です。
ユーザーの求めている質の高い最新のコンテンツである必要があります。一度公開して、情報を更新していない場合、ユーザーにとって古い情報となる可能性があるため、常にユーザーの求めるコンテンツであることを維持するようにしてください。
また、コンテンツは公開したものがすべて上位表示されるわけではありません。上位表示されないコンテンツはユーザーの検索意図を十分に汲み取れていない可能性があります。ユーザーの検索意図を再度精査してリライトをおこなうことで、上位表示される可能性が高まります。
コンテンツSEOのメリット
コンテンツSEOのメリットは下記のとおりです。
- ・潜在的な顧客にアプローチできる
- ・安定して集客しやすい
- ・資産性がある
- ・拡散性がある
- ・ブランディングになる
潜在的な顧客にアプローチできる
コンテンツSEOは潜在的な顧客にアプローチできます。
コンテンツSEOでは、検索意図に沿ったコンテンツを用意することで、WEB検索をする数多くのユーザーにアプローチすることができます。また、そのユーザーが自社や自社商品に対する認知がない状態であったとしても、サイトに誘導することができるため、認知や見込み客の獲得につなげることができます。
安定して集客しやすい
コンテンツSEOは安定して集客しやすいというメリットがあります。
一度、コンテンツを制作してしまえば、WEBサイト上にコンテンツは残り続け、
検索エンジン上に表示され続けます。また、コンテンツを制作すればするほど、検索エンジンから評価されやすいWEBサイトになるため、集客がしやすくなります。
広告は費用をかけて短期的に集客をおこなうのであれば有効な手段ですが、長期目線で継続的に集客をかけるのであれば、コンテンツSEOは有効な手段であるといえます。
拡散性がある
コンテンツSEOには拡散性があります。
ユーザーにとって質の高いコンテンツを提供することで、ユーザー自身がSNSで共有や拡散をしてくれる可能性が高まります。自ら検索エンジンで検索をしていなくても、友人や知人から共有されたから目にした、SNSで拡散されたから目にしたという経験はSNSの普及とともに増えてきています。
友人や知人から共有された記事は信憑性も高まるため、集客や見込み客の獲得の面でも大きなメリットとなります。
ブランディングになる
コンテンツSEOはブランディングにもなります。
検索上位を自社のWEBサイトで埋めることができれば、認知の拡大やユーザーからの信頼感を得ることができます。
また、検索上位を獲得することで、特定のキーワードでの、第一想起を獲得することができます。「ホームセキュリティ(ジャンル)ならALSOK(会社・サービス名)」のような、その業界での第一想起を獲得することでブランディングになることも大きなメリットの1つです。
コンテンツSEO対策のポイント
コンテンツSEOを実際におこなっていくうえで気をつけるポイントは下記のとおりです。
- ・コンテンツの質
- ・キーワード選定
- ・適切な文字数
- ・画像の利用
コンテンツの質
コンテンツSEOをおこなううえで最も重要なのが、コンテンツの質です。コンテンツの質とは、具体的には下記の内容になります。
- ・ユーザーの検索意図に沿っている
- ・オリジナリティがある
- ・キーワードを網羅的にカバーできている
- ・ユーザーが読みやすい
質の良いコンテンツを作るためには、ユーザーの検索意図を的確に把握し、それに対して、網羅的に過不足のないコンテンツを作成する必要があります。
また、他社のサイトにはない実体験に基づいた情報や分析、見解などのオリジナリティのある情報を盛り込むことで質の高いコンテンツを作ることができます。
さらには、ユーザーが読みやすいことが前提条件であるため、専門用語は使わず、わかりやすい言葉を使い、画像や表、箇条書きも適所に使うことが重要です。
キーワード選定
コンテンツSEOにおけるキーワード選定は、検索ボリュームや競合性だけでなく、自社の顧客となりうる潜在層が、どのような検索ワードをどのようなニーズで検索するのかを想定してキーワードを選定する必要があります。
誤ったキーワード選定をしてしまうと、PV数が増えても、コンバージョンにつながりません。キーワード選定をする際は、Googleキーワードプランナーなどのツールを用いて、検索ボリュームや競合、ユーザーニーズなどを包括的に調べてください。
適切な文字数
一般的に文字数の多いページはSEOで有利であるといわれています。
Googleが評価する内容の濃いコンテンツは文字数が多くなる傾向にあるため、文字数の多いコンテンツが上位表示されています。
しかし、検索キーワードによって必要な文字数は変わってきます。過不足がなく、十分な網羅性が担保されていれば文字数が少なくても問題はありません。狙っているキーワードで上位を取っている競合のコンテンツ内容を調べたうえで、過不足なく、網羅性が担保できる文字数を設定するようにしてください。
画像の利用
コンテンツSEOをおこなううえで画像の使い方にも注意が必要です。
記事の読みやすさにも関係しますが、テキストだけで伝わりにくいところは、図解や理解を促す画像を使って、ユーザーに意味が伝わるようにしてください。
画像もほかのサイトからの引用ではなく、オリジナルのものを使うことが重要です。ファイル名は「contents-seo.jpg」など、半角英数字で画像の内容がわかるものにします。また、画像を圧縮し、容量に配慮したうえで、altタグで写真の内容について説明することもSEOに影響します。
コンテンツSEO対策をインハウスにする場合と外注する場合
コンテンツSEOの対策をする際に、自分で対策するのか、外注をするのかは大きなポイントです。
コンテンツSEOをインハウスでおこなう場合、自社のノウハウや知見を活かし外注では対応できないような専門性の高い記事制作が可能です。反面、記事制作に工数を取られてしまうため、記事の量産体制を作ることが課題です。
反面、外注する場合には自社の工数を大幅に抑え、記事の量産が可能ではありますが、専門性の担保がむずかしく、コストが嵩むのが難点です。
自分で対策する場合
コンテンツSEOを内製化する場合には、ライティングチームを作るところから始まります。インハウスの場合には多数の人数を確保することがむずかしいのが一般的ですので、複数の業務を兼任することになりますが、担当としては次のようなものが必要です。
- ・ディレクター(責任者)
- ・記事企画(キーワード選定、ペルソナ設定など)
- ・ライティング(構成作成、文章作成など)
- ・記事監修(ファクトチェック、記事の二重チェックなど)
- ・記事投稿
インハウスの最大のメリットは自社の専門性を活かして作る妥協のない高品質の記事が作れることですので、企画や競合調査を元にしっかりとした情報発信をすることが重要です。
外注する場合
コンテンツSEOの内製化をすることがむずかしい場合には外注することで記事の量産によるメディア運営も可能になります。メディア立ち上げ前の段階から外注することでユーザー導線を意識したサイト制作が可能になったり、サイトの目的やペルソナを意識した戦略設計をしたりすることができます。
単にコンテンツの制作のみを外注する場合もありますが、すべてのコンテンツを外注だけに頼ってしまうと専門性を担保することがむずかしくなります。記事の最終チェックに自社が関わったり、月に数本だけでも自社でコンテンツ制作をしたりすることで専門性を担保できるような体制作りが大きな課題となります。
外注する際の費用
コンテンツSEOを外注する際の費用はコンテンツの内容や文字数、対策キーワードによってさまざまです。
2022年時点のコンテンツSEO対策の相場は初期費用30万円程度、1記事につき1,000円/月〜3万円/月となっていますが(参考:SEO対策の平均費用と料金相場|早見表つき【2022保存版】(アイミツ))、実際にライティング会社やSEO会社に記事制作を依頼する場合には1本あたり3万円~10万円程度、専門性の高いものであれば1本あたり15万円~50万円ほどかかります。
大手企業であればコンテンツ制作すべてを外注するという選択肢もありますが、コンテンツに対する投資対効果を考えて発注すべきといえます。
外注先の選び方
コンテンツSEOを外注する会社を選ぶ際に、注意すべきポイントは2つあります。
- ・サービス内容
- ・得意な領域
コンテンツSEOを外注する場合、コンテンツ制作のみを依頼する、メディア運営を依頼する、コンテンツSEOの戦略を依頼するなどがあります。
また、会社によって得意な領域も異なります。市場調査やキーワード選定が得意な会社もあれば、コンテンツの作成が得意な会社もあります。どこまでを外注し、どこからを自社で対応するのかを決めておく必要があります。
まとめ
コンテンツSEOとはユーザーニーズに沿ったコンテンツを用意し、集客を図る施策です。潜在客へのアプローチができたり、資産性があったりするなどのメリットがありますが、中長期的な施策であり、定期的なメンテナンスが必要になることを把握しておかなければなりません。
コンテンツの質だけでなく、キーワード選定や画像の使い方も重要になるため、多くの工数を要します。外注する際は業務領域とオウンドメディアをチェックしたうえで、人件費と外注費のバランスを考えることが重要です。