コンテンツマーケティングとは、コンテンツを用いたマーケティング手法です。マーケティングの定義はさまざまですが、自ら売り込みに行くことをセールスと呼び、顧客が自分からやってくる仕組みを作ることをマーケティングと呼びます。

つまり、コンテンツマーケティングとはコンテンツを使って顧客が自ら来るようにする仕組みを作るマーケティング手法のことです。

インターネットで検索するとオウンドメディアのことをコンテンツマーケティングと呼んだり、コンテンツSEOのことを指したりしますが、本来はもっと広い意味を持ちます。

ここではAdAIがコンテンツマーケティングとは何かをご紹介いたします。

コンテンツマーケティングとは何か

冒頭で述べたとおり、コンテンツマーケティングとは、コンテンツ(情報)を使って顧客が自ら来るようにする仕組みを作るマーケティング手法のことです。

一般的にはWEBマガジンをコンテンツマーケティングと呼ぶことが多いですが、配信するコンテンツはテキスト中心の記事に限りませんので、動画やSNS、画像などを使うことで実現することもできますし、そもそもオフラインでおこなわれることもあります。

引用元:https://bazubu.com/contentmarketing-14765.html|購買サイクルに沿ってコンテンツマーケティングを進める

コンテンツSEOとの違い

引用元:https://gicp.co.jp/manegementnote/contents-marketing/

 

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)の手法の1つにコンテンツSEOと呼ばれるものがあり、コンテンツSEOのことをコンテンツマーケティングと呼ぶことがありますが、両者は近いものではありますが同一視できるものではありません。

コンテンツSEOはSEOの中の1つの手段であり、コンテンツマーケティングの1つの手法にすぎません。

コンテンツマーケティングは動画、画像、SNS、オフラインなどでもおこなわれることを考えればSEOに限らないことがわかるはずです。

 

オウンドメディアとの違い

オウンドメディアはWEBマガジンと解釈されることが多く、コンテンツマーケティングと同一視されがちですが、これも違います。

オウンドメディアは自社所有のメディアのことすべてを指しますので、本来は公式サイト、ブログ、SNS、WEBマガジンのように「所有」している「メディア」のことを意味します。所有しているメディアであればオウンドメディアですので、本来の意味で考えればマーケティングかどうかは関係がありません。
ただし、日本ではオウンドメディアとはWEBマガジンのことを指すことがほとんどであり、事実上、オウンドメディアを持つということはコンテンツマーケティングをやるということになります。

 

コンテンツの種類

コンテンツマーケティングというと記事(テキストコンテンツ)と思われがちですが、コンテンツであればどのような情報であっても構いません。一例としては次のような種類が考えられます。

 

  • ・テキストコンテンツ
  • ・動画
  • ・画像、写真、イラスト
  • ・オンラインセミナー
  • ・オフラインイベント
  • ・広告
  • ・メール

 

コンテンツ(中身)の意味のとおり、発信するものにユーザーの興味を引く「中身」さえあれば、それはコンテンツマーケティングといって差し支えありません。

コンテンツマーケティングの流れ

引用元:https://gicp.co.jp/manegementnote/contents-marketing/|コンテンツマーケティングの流れ

 

コンテンツマーケティングはテキストコンテンツに限らないとお伝えしたばかりですが、テキストが中心になることは間違いがありませんので、一般的なコンテンツマーケティングの流れをご紹介いたします。

 

  • ・オウンドメディアの制作
  • ・ナーチャリング
  • ・リード獲得
  • ・新規顧客の創出
  • ・ロイヤリティの向上

 

1.オウンドメディアの制作

まずはオウンドメディアを企画、制作するところから始めます。一般的なコンテンツマーケティングはSEOとSNSの併用により集客を行いますので、認知が進みアクセスが集まるようになるまで、早くても半年はかかります。

毎月ユーザーが欲するコンテンツを提供し続けることで徐々に検索順位が上がり、検索順位向上に伴いユーザー数も増えるようになります。

 

2.ナーチャリング

ナーチャリングとは育成のことです。WEB広告であればアクセスしたユーザーをそのままコンバージョンに誘導して成果を出すことを考えますが、コンテンツマーケティングではナーチャリングが最初の目的ですので、ユーザーはコンバージョンせずに離脱することが前提です。

ただし、ユーザーが求めるコンテンツを配信し続けていれば、ユーザーは何度もサイトに訪れることになり、次第に信頼を寄せ、コンバージョンにつなげることができます。

余談ではありますが、心理学には単純接触効果と呼ばれるものがあり、対象に触れる回数が多くなればなるほど好意を寄せるというものがあります。コンテンツマーケティングはまさしく、この単純接触効果を利用したものであり、繰り返しアクセスしてもらうことで効果を創出するものです。

 

3.リード獲得

ナーチャリングをしつつ、見込み顧客(リード)につなげることが大きな目標です。そのため、アクセスしたユーザーをうまく回遊させつつ、ホワイトペーパー(ユーザーにとって有益な情報やノウハウを配信するWEB資料)を提供して顧客情報(会社名、氏名、役職、部署名、電話番号、メールアドレスなど)を取得して顧客リストを作ることを目的にしてください。

ただし、ホワイトペーパーには顧客情報を入力させますので、一定の壁ができます。この壁を越えてでも欲しい情報だと思われるようなホワイトペーパーを作る必要がありますので、ホワイトペーパーの企画と制作にはかなりの労力を伴います。

 

4.新規顧客の創出

ナーチャリングがうまく進めば、何度もアクセスし好意的に思ってくれているユーザーがいるということです。このユーザーに対して営業をかけたり、コンバージョンに誘導させることで通常のテレアポなどよりも遥かに高い成約率を出すことが可能になります。

新規顧客を獲得できれば成功ですが、コンテンツマーケティングはここで終わらずに次のステップに進みます。

 

5.ロイヤリティの向上

新規顧客を作っても、そこで終わらずにロイヤリティを高めることができるのがコンテンツマーケティングの大きなメリットです。

例えば、購入までの情報収集用コンテンツとは別に、購入後の商品のメンテナンス用コンテンツを配信することでユーザーは購入後もメディアにアクセスし続けることになります。

アクセスが増えれば増えるほど商品の知識が増えますので、必然的に次回も利用するようになったり、情報の拡散(口コミ、SNSなど)をおこなってくれたりするようになります。

 

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングは非常に普及している集客方法であり、数多くのメリットがあります。特にWEB集客やSEOを強化したいと考えている場合にはコンテンツマーケティングは非常に有効であるため、メリットと注意点をよく把握したうえで導入を検討すべきでしょう。

 

コンテンツが資産になる

コンテンツマーケティングはコンテンツを配信し続ける手法ですので、メディアを作りコンテンツを入れ続けることで記事は貯まっていきます。これがメディアの資産、会社の資産になりSEO効果を高めることになります。

 

低コストで開始できる

コンテンツマーケティングはメディアの箱さえできれば、あとは記事を投入し続けるだけで運用が可能です。メディアとして記事が多いほうがよいには違いありませんが、記事が少なくても公開はできるため、極めて低予算で開始できます。

例えば、メディアの制作はミニマムで20万円~30万円ほどでできますし、コンテンツは1本あたり3万円程度(AdAIの場合。文字数や記事質により高くなります)で制作できますので、記事を10本で公開する場合には50万円~60万円程度で開始できます。

 

SNSでのシェアが期待できる

優れたコンテンツというものは周囲に伝えたくなるものです。記事を投稿した後にSNSで配信することで、ユーザーの目に触れる確率を上げることができ、ユーザーの琴線に触れることができれば自然とSNSでのシェアが期待できます。SNSでのシェアができるということはインプレッション(ユーザーの目に触れる回数)が増えることになりますので非常に効果的な集客方法になるはずです。

 

費用対効果が高い

コンテンツマーケティングは費用対効果が優れているといわれています。これはWEB広告で集客しようとした場合には、お金をかけ続けなければならず、コストを下げると広告の表示回数が減るため効果も下がります。

対して、コンテンツマーケティングは積み上げた記事が多くなるほどアクセスが集まる傾向にありますので、当初は広告よりも高かったCPA(Cost Per Action:顧客獲得単価)を下げることが可能です。

 

顧客のロイヤリティが高くなる

コンテンツマーケティングはロイヤリティを高くすることが可能です。商品を購入してもアフターケアをしなければ顧客は自然と離れていきます。これを人の手でおこなうことはかなりの労力とコストがかかりますが、メディアを運営するということは24時間自主的に営業活動をしてくれるサイトがあるということですのでコストを抑えて、ロイヤリティを高くすることができます。

ロイヤリティが高くなった顧客は自然とその商品を使い続けてくれますので、ストックビジネスにすることができるため、ビジネスの安定につながります。

 

コンテンツマーケティングの注意すべき特徴

コンテンツマーケティングには、いわゆるデメリットはありません。基本的にはやったほうがよいマーケティング手法です。しかし、注意すべき特徴はいくつかあります。

※コンテンツマーケティングにはデメリットがあるというメディアも存在しますが、「デメリット」ではありません。ただし、しっかりと把握すべきリスクであることはありますので、正しく理解したうえでQCD(Quality Cost Delivery:品質、コスト、納期)をコントロールしてください。

 

コストが意外に高くつく

メリットで紹介したようにコンテンツは資産になり、低コストで始めることができるのがコンテンツマーケティングの良い点ですが、コンテンツを配信し続けるということはコストがかかり続けるということを意味します。

効果を生むためには記事を配信し続ける必要がありますので妥協はできませんが、コストが思ったよりも高く予算が確保できないとならないように初期設定をする必要があります。

 

品質の担保がむずかしい

コンテンツマーケティングはコンテンツが最重要課題です。価値の低い記事を配信してもほとんど意味はありません。しかし、高い価値提供ができる記事を作ろうとすると企画、調査、執筆に時間がかかったり、書ける人が限られたりするなどの制約があります。

記事制作を外部に依頼することも可能ですが、フリーライターやライティング会社でも思ったほどの品質を担保できないことも多く、専門知識を持っている社員では業務の多忙さからライティングを担当できないなどの問題があります。

 

短期間では効果は出ない

コンテンツマーケティングは短期間では効果は出ません。基本的にはSEOに頼ることになりますので早くても6か月はかかりますし、テーマの難易度や毎月の投稿数によっては1年かかっても効果が出ないこともあります。

かけたコスト以上の収益が上がることは当面先であり、しかも数値を読みづらいのがSEOですので、数年の時を要するプロジェクトであることを理解すべきです。

 

コンテンツマーケティングを始めるために

コンテンツマーケティングはサイトと記事さえあれば開始することができますが、前準備として必ずおこなうべきことがいくつかあります。

初期設定をおこなわないと高確率で失敗してしまいますので必ず以下の4点は確認してください。

 

ゴールの設計

メディアには必ずゴールがあります。多くの企業で売上をゴールに掲げますが、メディアのゴールは必ずも売上だけとは限りません。

 

  • ・認知度の向上
  • ・リード(見込み客)の獲得
  • ・リードナーチャリング(見込み客の育成)
  • ・エンゲージメント(顧客との接触)の増加
  • ・ロイヤルティ向上

 

上記のようなゴールを設定し、ゴールを達成するためのタスクを分け(ゴールブレイク)、そのうえでタスクを細分化し(タスクブレイク)、施策を打つべきです。

 

ペルソナの設計

ペルソナとはこんな人が商品を買ってくれるだろうという想定で作った「架空の個人」のことです。ペルソナ設定をせずにメディアを立ち上げると多くの場合で失敗します。

ペルソナを作ることは意外に苦労があり、大変ですが完璧なペルソナを作るのではなく、多少粗くてもとりあえず大枠を作り、メディアを運営しながら徐々に修正していくとよいでしょう。

 

カスタマージャーニーマップの作成

カスタマージャーニーとは顧客(カスタマー)が商品を知ってから購入するまでの旅(ジャーニー)をする軌跡のことです。

カスタマージャーニーを可視化したものをカスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map、略称CJM)と呼び、CJMを作ることは顧客理解のために非常に重要です。

CJMにはさまざまなフレームがありますが、一般的には認知、興味関心、比較検討、購入のステップを踏みます。それぞれのフェーズでユーザーが何を考え、どのように思い、商品とのタッチポイントは何かを考えることで自然と必要なコンテンツが見えてきますのでメディア運営に役立てることができます。

 

キーワードマッピングの作成

キーワードマッピングとは、サイトの将来的なサイトマップ(ディレクトリマップ)を作り、サイトのどの階層のどの部分でなんというキーワードを狙うのかを決めて視覚化することです。コンテンツマッピングと呼ばれることもあります。

最初にテーマを決めて、狙うキーワードを定めますが、テーマやキーワードが小さすぎる場合にはメディアとしてのスケールが見込めず、効果が出ないことが考えられます。

運営しながら修正することはありますが、初期設定に組み込むことをお勧めいたします。

 

コンテンツマーケティングの開始に困ったら

コンテンツマーケティングの概念を理解することは、さほどむずかしくないはずですが、実際にやってみようとなると初めての方にはかなり高い壁を感じるはずです。

多くの企業で試しては撤退するようなことが頻繁に起きるのがWEB業界ですので、困惑されるのも当然です。

そのため、AdfAIでは初期設計やコンテンツ制作の指南などをおこないつつ、徐々に社内にシフトすることで、最終的にはインハウス化することでコストを下げつつ、コンテンツマーケティングを成功させることができると考えております。

コンテンツマーケティングの開始で困ったことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。