検索結果で上位に表示されるためにはGoogleを考慮しなければなりません。しかし、Googleのアルゴリズムは日々更新されていますし、Googleアルゴリズムを追いかけるという行為はSEOとしては必ずしも正しいとは言い切れません。

そもそもGoogleはユーザーへの最適な導線を提供しているにすぎませんので考えるべきはGoogleアルゴリズムではなく、ユーザー体験(Search Experience)です。

ではSEO担当者が考えるべきは何か?

Googleの方針でいえばユーザー体験の向上ですが、曖昧ですのでSEOの観点で見るべき58項目をAdAIがまとめました。

 

URL構造、サイト設計について28項目

まずはURL構造、サイト設計の話です。

 

レスポンシブ

レスポンシブデザインは今や必須といえます。昔はパソコン版ページとスマホ版ページを別々に作成していましたが、今はあえて別に作る必要はありません。むしろ、パソコン版にしか表示せず、スマホ版には表示しないというようなコンテンツはそもそも不要と考えるべきです。

cssの設定によりデザインや見た目が変わるのはまったく問題ありませんが、コンテンツはパソコン版とスマホ版で完全一致を心掛けるべきです。

 

SSL化

SSLとはSecure Sockets Layerの略です。つまり、URLをhttps://で始まっているように設定することです。インターネットは便利ですがセキュリティ問題は常に付きまといます。このセキュリティを担保するためにもSSL化は必須です。

SSL化はGoogleも検索結果の基準に盛り込むと発信していますので、未対応のサイトがあればすぐに対応してください。

なお、URLがhttps://で始まっていてもエラーが出ている場合も見受けられます。サイトそのものはSSL化していても画像やcssなどのhttp://(非SSLのURL)で参照している場合などが多く、修正が必要です。

 

UI/UX

UIはUser Interface、UXはUser Experienceの略です。どちらもユーザー体験に強く影響します。SEO担当はデザイナーではありませんが、次のような点は意識すべきです。

 

  • ・ナビゲーションは適切か
  • ・文字サイズは適切か
  • ・余白は十分にあるか
  • ・ボタン同士は近すぎないか
  • ・配色は見づらくないか、問題ないか

 

サイトをユーザーフレンドリーに作ることはMFI(Mobile First Index)にも通じます。

 

canonical(カノニカル)

canonical設定は可能な限りすべてのページに設定してください。Word Pressを使ってサイト作成などをしていることも多く、自動的に設定されていることもよくありますが、SEO担当者ならば確認しておいて然るべきです。

リニューアル、移転などの際にも対応が必要な場合があります。重複コンテンツとなったり、評価分散を受けないためにも必須といえます。

 

URLの正規化

URLの正規化はSEOでは必須です。WEB制作の経験がかなり長い方でも知らなかったりするのでSEO担当者がチェックすべきです。確認項目はサイトによりますが、次の4点はすぐに確認できます。

 

  • ・wwwの有無
  • ・httpとhttpsの統一
  • ・index.htmlの有無
  • ・トレイリングスラッシュの有無

 

EAT

E-A-Tは近年急激に注目されているSEO対策です。次の3つの頭文字を取ってE-A-Tです。

 

  • ・Expertise(専門性):網羅的に記述しているか
  • ・Authoritativeness (権威性) :運営者は明確か、何の専門家か
  • ・Trustworthiness (信頼性):事実である根拠、真実性の確保

 

記事を網羅的に、専門的に書くことは極めて重要なコンテンツ制作です。競合と同じ程度のコンテンツであればどちらが上位表示されるか分かりませんが、競合よりも明らかに質の良いコンテンツであれば上位表示される可能性が飛躍的に高まります。

また、その記事を誰が書いたのかというのは非常に重要な指標です。例えば、癌についての記事ではただの医者よりも癌専門医の記事の方が信用できますし、癌の世界的権威の記事であればあらゆるところから参照されるはずです。分野にもよりますが医療や金融関係のサイトでは権威性は非常に重要な尺度です。

さらに書いている内容の真実性も極めて重要です。実はGoogleは記事の内容が正しいかどうかは判断していません。というよりもできません。しかし、正しい記事を書いていれば読者の満足度は高く、より多くの参照を受けることができます。反対に明らかに誤った情報があればユーザーの離脱に繋がりますし、誰からも見向きもされません。このユーザー行動をGoogleは丹念に紐解いて順位を付けていると考えられます。

 

サイト構成

サイト構成をどのように組むかはデザインや業界によって大きく異なるはずです。しかし、SEOを意識するのであれば最低でも次の3点は守ってください。

 

  • ・トップページから少ないクリック数で目的のページにたどり着けるか
  • ・重要なページにリンクを集めているか
  • ・カテゴリ分けは適切でURLは階層化できているか

 

基本的にはトップページ→カテゴリ記事→子記事に遷移するのが通常です。サイト運用歴が長くなり、ページが増えたとしてもユーザーが迷わずに目的のページにたどり着けるように設計してください。クリック数は少なければ少ないほどよく、3クリック以内が目標です。

SEO対策で外部サイトからリンクを貰うことは極めて重要ですが、実は内部リンクを貰うことも非常に重要です。特に重要なページには内部リンクを集めるようにしてください。ただし、自分が重要だと思ってもユーザーにとって不要なページであればリンクをすることは望ましくなく、むやみやたらにつけるのは下策です。

ときどきトップページ直下にすべてのコンテンツを配置するサイトを見かけます。業種やサイトのコンセプト、特化性にもよりますので一概に駄目とは言い切れませんが、多くの場合URLを階層化しカテゴリ内に記事を入れることが望ましいです。そうすることでカテゴリパワーが強くなり、結果的にサイト全体が強くなります。

 

ナビゲーション

ユーザーが迷わない導線を確保することは極めて重要です。ほとんどのサイトにはグローバルナビやモバイルのメニューがありますが、これは適切な導線を確保しているためです。ナビゲーションが正しくなかったり、そもそも存在しなかったりすると離脱に繋がります。

モバイルサイトではハンバーガーメニューが多く使われますが、これはタップをするまでメニューが分かりません。そのため、ユーザー体験という意味では必ずしも正解ではないということは覚えておいてください。

 

回遊方法

サイト内回遊はとても重要です。グローバルナビ、サイドバー、フッター、記事内リンク、記事の最後の関連記事リンク、パンくずリストなどあらゆる方法でサイト内回遊をさせる方法を検討してください。ただし、意味もなく設置するのではなく、ユーザーがクリックするであろうリンクを設置することが大事です。

 

サイトマップ

引用元:https://webst8.com/blog/homepage-sitemap/

サイトマップには2つの意味があります。1つはGoogleなどの検索エンジンが参照にするsitemap.xmlのこと、もう1つはユーザーが記事を見つけるためのsitemap.htmlのことです。

回遊方法やナビゲーションがうまく作ってあればユーザー用のsitemap.htmlは必ずしも必要ありませんが、Googleボットが記事を見つける手助けをするためにはsitemap.xmlの設置が必要です。

ただし、多くのサイトではsitemap.xmlはなくても問題ありません。Googleボットはとても優秀なのでサイトマップがなくても非常に高い確率でページを見つけることができるためです。しかし、BingやBaiduなどGoogle以外の検索エンジンのためにサイトマップを設置することや将来的にサイトが大きくなることを見据えて設置することは構いません。

そもそも正しいサイトマップであれば設置に弊害はありません。

 

パンくずリスト(ブレッドクラム)

ユーザーに今自分がどこにいるのかを見せるためにもパンくずリストは設置するようにしてください。パンくずリストは内部リンクになりますし、カテゴリへの移動も容易になります。さらにパンくずリストを構造化データにすることで検索エンジンへのサイト理解を手助けすることもできます。

なお、モバイルサイトのパンくずリストには昔から入れる入れない論争があります。UI/UXを考慮して意図して外す場合やページの最下部に設置するというケースもあります。

 

ドメイン

ドメインは自分では制御できません。しかし、SEO担当者であれば自分のドメインがどのようなものかの把握は必要です。場合によってはドメイン変更を余儀なくされることがあります。チェックすべきは次のような内容です。

 

  • ・ドメインエイジ
  • ・ドメインパワー
  • ・ドメインにキーワードは含まれるか
  • ・ドメイン名とサイト名に関連はあるか
  • ・数字は含まれるか
  • ・サブドメインの運用は正しいか
  • ・ドメインの使用履歴はどうなっているか

 

ドメインは新規よりも古いものの方が評価が早いことが知られています。競合と比較してドメインの使用期間は何年なのかは見るべきポイントです。ただし、古ければ古いほど強いというわけではありません。

ドメインパワーはやや数値化が難しいのですが、AhrefsのURやDR(URL Rating、Domain Rating)、MozのDAやPA(Domain Authority、Page Authority)、Majestic SEOのTFやCF(Trust Flow、Citation Flow)、SEMrushのAuthority Score、パワーランクチェックツールなどを参考にすることができます。

ドメインには追っている最重要キーワードを入れたり、サービス名や会社名を使うことが一般的です。何かしら関連のある文字列を使うことでSEO効果が見込めたり、ブランディングに繋がったりします。ただし、非常に軽微なSEO効果しかありませんので、無理に使うのではなく企業名やサービス名などを入れたほうが有用なことが多く、一概にはいえません。

 

ページ数

上位表示を意識した時に障壁になるのがページ数です。単純に条件が同じであればページ数が多いほど強いのでページ数が多ければ多いほどよいという結論になります。しかし、実際のSERPs(Search Engine Result Pages:検索結果)では必ずしもページ数と順位は比例しません

前提にあるのは「強いコンテンツが入ったページ数」です。弱いページがいくつあっても評価は上がりません。厳しい言い方ですが、SEOではこのようなページをゴミコンテンツといいます。

競合のページ数はsite:検索で調べることができますが、分かるのは目安の数値です。Screaming Frog SEO SpiderやWebsite Explorerなどのツールを利用した詳細分析が必要です。

 

リンクの位置

内部リンクをどこに設置するのかはSEO的にもユーザビリティ的にも重要です。特に重要なリンクはページの上部、可能ならファーストビューに設置してください。また、ページ読了後に回遊を促す意味でページ最下部にリンクを設置したり、記事の合間に関連記事を差し込むこともよいです。

 

ファビコン

ファビコンは必ず設置してください。WEB制作が長い人でも言わないとファビコンを作らない人がいますのでSEO担当者の仕事です。ファビコンを設置することそのものにはSEO効果はありません。しかし、モバイルの検索結果にはファビコンが表示されますし、パソコンの検索結果にも表示されることがあります(表示と非表示が繰り返されるのは試験運用だと思います)。

ファビコンを設置することで再訪問するユーザーが迷わずにクリックできることになりますし、単純に色やデザインによりクリック率に影響することも考えられます。ブックマークした時にもファビコンがあると選択しやすいためユーザー体験の向上に寄与します。

 

OGP設定

OGPとはOpen Graph protocolの略です。TwitterやFacebookなどSNSにシェアされた時に画像、タイトル、descriptionなどが参照されます。OGP設定が不適切だとシェアされてもクリックされづらくなり、単純に不利です。TwitterやFacebookにSEO効果はありませんが流入増のためには重要な施策です。

 

構造化データ

構造化データの設置にSEO効果はないといわれています。しかし、設置により検索エンジンへのサイト理解が深まりますし、リッチスニペットへの表示を促したり、FAQを表示させたりとクリック率に影響する可能性は高いです。将来的にはSEO効果が生まれる可能性はありますし、権威性を判断する指標に使っているという意見やユーザー体験の向上には寄与します。

 

画像

画像設定は意外に奥が深いです。そして、少なくとも2019年の頃には画像にSEO効果が確認できていますので、強化施策として有用です。

 

  • ・ファイル名は適切か
  • ・alt設定はされているか
  • ・圧縮されているか
  • ・captionはあるか
  • ・width、height設定はされているか
  • ・独自画像を使っているか
  • ・画面サイズに応じて表示を切り替えているか

 

画像のファイル名に何の画像なのかがわかるファイル名にする必要があります。また、alt設定をすることでSEOが見込めます。必要があればcaptionも設定してください。

ユーザー体験向上のためにも画像圧縮を意識し、widthやheight設定をすることはCLS(Cumulative Layout Shift :累積レイアウト変更)の対策になります。画面サイズに応じて画像を切り替える設定にすることで読み込み時間向上につながり、さらにプラスになります。

また、少なくとも2019年には独自画像を入れることでSEO効果があることが分かっています。フリー画像ではダメです。時間と手間はかかりますが、ユーザー理解が深まるように適切な個所にわかりやすい画像を入れることを意識することで検索上位が目指せます。

 

テーブル

コンテンツにテーブル(表)を使うことはよくあります。文章よりもテーブルの方が分かりやすいことも多く、強調スニペットに参照されることがあることからも意識すべき点です。

テーブルを使う時によく起こるのがパソコン版では問題なく表示されるのにスマホ版では潰れてしまうことです。画面サイズが違うために起きてしまう悲劇ですが、ユーザーには関係がありません。どのような場合でも問題なく見えるように意識が必要です。

画面が狭い場合には横にスライドするのか、最初から潰れづらいように列数や文字数を制限するのかなど細かいところまで意識することでユーザー体験が向上します。また、状況によりcaptionを設置することでユーザー理解が深まります。

 

文字サイズ

大変悲しいことにSEO担当者とデザイナーが喧嘩をしていた時代があります。デザイン的に文字を小さくしたいデザイナーとユーザビリティのため文字を大きくしたいSEO担当者の戦いです。

GoogleはMFIのためにも文字サイズは16px以上を推奨しています。16pxあればあらゆる年齢層にも読みやすくなります。また、背景色と文字色も意識すべきです。コントラストによっては非常に読みづらくユーザー体験の邪魔になります。あってはいけないことですが、背景色と文字色が同じであればもはやスパムです。

また、テキストで表現できるのにデザインを考えて画像で表示するのはSEO的にはほとんど無意味です。テキストへの修正が求められます。

 

HTML表記

htmlの構文はSEOとは直接的な関係はないはずです。上位表示されているサイトでもコードを見ると酷いというのはよくあります。しかし、正しいコーディングをすることで検索エンジンに正しい情報を伝えることができますし、検索エンジンへの正しい認知にはSEO効果があるという説もあります。

シンプルで構いません。難しいコードは不要です。正しいマークアップを心がけてください。

 

css表記

今ではほとんどありませんが(と信じています)、cssはスパムの温床になりやすい場所です。文字を隠したり、cssによりコード上はテキストがあるように検索エンジンに見せているのです。

text-indent: -9999px;を悪用して積極的にテキスト隠しをしていた大手企業もありましたが、やりすぎるとペナルティを受ける可能性が高まります。

 

リンク切れ

リンク切れは長くサイト運営をしていれば起こる問題ですが、リンク切れを放置することはSEO的にマイナスです。リンクが切れているということは間違っている情報や古い情報が載っている可能性が高く、信頼性の低下につながるからです。どこをクリックしてもリンク切れが起こるようであればユーザーは離脱します。Word Pressを使っているのであればBroken Link Checkerというプラグインを使って定期的な確認が必要です。

 

404ページ

自サイト独自の404ページは必ず設置するようにしてください。内部リンクの設定間違い、ユーザーによるリンク貼り間違え、ブックマークによる削除ページへの流入など404エラーは起こりえます。しかし、独自の404ページがなければユーザーはそのまま離脱してしまいます。独自の404ページがあれば少なくともトップページへの導線は確保できていますので離脱率低下に使えます。

ただし、404ページの設置はユーザビリティの観点の話であって、SEOの観点だけを話せば404自体は普通に起こりえることです。

 

リダイレクト

サイトのリニューアル、ドメインの変更、ページの統合などによりリダイレクト設定をすることはよくあります。しかし、リダイレクト設定を正しく施さないと離脱に繋がったり、エラーになったりします。最低でも次の3つは確認してください。

 

  • ・301リダイレクトと302リダイレクトの使い分け
  • ・リダイレクトを繰り返していないか
  • ・HTTPによるリダイレクトができているか

 

301リダイレクトは恒久的リダイレクト、302リダイレクトは一時的リダイレクトです。仕組みとしてはほとんど変わりませんが正しく使わないとマイナス効果があります。また、リニューアルや統合を繰り返すとリダイレクトのリダイレクトになることがあります。2回くらいなら構いませんが回数が多い場合には設定を見直してください。

リダイレクトの方法はさまざまですので正しく設定できていればよいのですが、HTTPやjavascriptによる設定が必要です。meta refreshによる転送はまったくお勧めできません。

 

noindexとnofollow

noindexをすることが望ましいとはいいませんが、サイト運営上noindexをすることはあります。また、使う必要性があまりありませんがnofollowもあります。どちらも正しく使わないとSEO的にマイナスになることがあります。

補足として、未熟なSEO担当者がnoindexとrobots.txtによる制限の違いを理解していないことによる悲劇も起こりえます。ページをSERPsから削除したい時にnoindexとrobots.txtの両方を使うといつまでも削除されず悲惨です。

 

フレーム

現在ではフレームを使っているサイトは珍しいですが、2000年頃は頻繁に見かけました。現在ではフレームは推奨されておりません。もしまだ使っているということであればリニューアルを強く推奨します。

なお、同じフレームでもiframeは比較的頻繁に使われます。方法を間違えなければ使用に問題はありません。

 

AMP

AMP(Accelerated Mobile Pages)は2016年から始まったサービスです。2020年頃までは積極的に導入が進められていましたが、2022年の時点ではAMPにそこまで大きなメリットはありません

ユーザー体験向上という視点で導入することに問題はありませんが、SEOの視点では新規で導入するというよりも既に導入されていた場合のメンテナンスに注意すべきといえます。

 

SNS

企業の公式サイトには設置が難しいといわれることが多いのですが、流入増や拡散のためにもSNSボタンを設置してください。Twitter、Facebook、はてブ、pocket、Lineなどは非常によく使われるSNSです。

 

コンテンツについて21項目

次はコンテンツの話です。

 

タイトル

タイトルは最大32文字が目安です。長いタイトルが悪いという意味ではありませんが、長すぎると検索結果では途中から切れてしまいます。そして、SEO効果を強くするためにはキーワードは前の方に寄せて入れてください。そして、タイトルは全ページユニークにする必要があります。

 

description

description(ディスクリプション)は検索結果のタイトルの下に表示される文章です。直接的なSEO効果はありませんが、適切な文章を入れることでクリック率向上が見込めます。こちらもタイトル同様に全ページユニークで設定してください。

 

keywords

meta keywordsはGoogleに対してのSEO効果はないといわれています(Googleが明言しています)。しかし、SEO界隈の有志により2022年の時点でもSEO効果があるともいわれており、確かなことはわかっていません。

Googleは使っていなくてもBingやBaiduなどの他の検索エンジンは利用している可能性があること、Googleの仕様が将来的に変わることを理由に入れた方がよいと主張する方もいますし、入力することで自社が狙っているキーワードが競合にバレると危惧されている方もいます。別の視点で、Word Pressの管理画面上で設定していると管理しやすいという意見もあります。

設定は必須ではありませんが、SEO担当者として知識は持っている必要があります。

 

URL

URLは端的に記事を表現したものがよいです。英数小文字半角で単語をハイフン(-)で繋げるのがGoogle推奨の方法です。単語の長さによりますが長くても3語~5語をハイフンで繋げる程度の長さにしてください。

なお、日本語ドメイン、日本語スラッグなどを利用する方もいます。SEO的にはどちらでも問題ありませんが、コピーした時にピュニコードと呼ばれる特殊な表記法に変わってしまい、視認性が非常に悪いためお勧めしません。

例えば、「AdAI」という言葉をピュニコードで記した場合には「xn--cckr5gyfi4g」となってしまいます。コンピュータとしては同じものであると認識できますが、人間の目には怪しい文字の羅列にしか見えません。

 

アイキャッチ

アイキャッチ画像は必須ではありません。しかし、SNSで拡散される際に利用されること、Google discoveryに利用されること、内部リンクに利用されることがあることなどを鑑みて設置するかどうかを判断してください。

 

ファーストビュー

ファーストビューに何を表示させるのかは重要です。トップページであればメインビジュアルを見せることでブランドの表示や訴求効果があります。下層ページではコンバージョンを促す文言やボタン、リンクを見せたり、タイトル、リード文などを見せることで記事を読むかどうかを判断させることが求められます。

 

リード文

下層ページのリード文は読了率に影響します。必ずキーワードを入れて、悩みや解決方法を端的に表現することでユーザーに「自分はこの記事を読むべき」という認識をさせるようにしてください。不適切なリード文を入れてしまうと離脱に繋がります。

 

index(もくじ)

記事のindex(もくじ)にはSEO効果があるといわれています。SERPsにも見出しが表示され、クリックを促すこともできますので設置を推奨します。ただし、短い記事やページによっては不要なこともありますので、ユーザー視点で必要かどうかを判断してください。

※たびたびindexにSEO効果はないと指摘が入ります。SEO視点というよりもユーザー視点で導入を検討してください。

 

見出し

見出しの重要性は以前よりも落ちましたが、依然として検索エンジンがページを理解することを助けます。h1にキーワードを含めるのはもちろんですが、h2以降にもキーワードや関連語を意識してください。ただし、やりすぎは禁物ですし、h2以降には必須とは言い切れません。

見出しは入れ子になっている必要があり、h2の次はh3、その次はh4と使ってください。いきなりh3から始まったり、入れ子になっていなかったりするのは検索エンジンにやさしくありません。また、見出しで記事の概要が分かるようにしてください。

とはいえ、検索上位に表示されるサイトで、h1が2つある、h3から始まる、見出し設定がほとんどされていないということは頻繁に見受けられます。見出しは重要なシグナルには間違いありませんが、仕様どおりでなくてもクリティカルな過ちとはいえません。

 

コンテンツ

contents is kingといわれます。これは将来的にも変わらないと考えられます。競合と比較して必要項目は十分に網羅されているか、内容は正しいか、文章量は適切かを考え抜いてください。

最も重要なのは検索意図と合っているかどうかです。タイトルと内容が乖離していてはユーザーは離脱しますし、良いページ評価は受けません。他にも次のような点はチェックしてください。

 

  • ・文章はオリジナルか
  • ・1ページ1キーワードの対策になっているか
  • ・同じキーワードで対策している別ページはないか
  • ・主述は明確か
  • ・関連ページへのリンクはあるか

 

文章がオリジナルであることは必須です。他所からのコピーは著作権的にも倫理的にも問題ですがSEO的にも大問題です。そして、基本的には1つページでは1キーワードを対策するようにしてください。結果的に複数のキーワードで取れることはありますが、検索意図を考えてコンテンツを作ることを考えれば狙ってやるべきではありません。

サイトが大きくなってくると同じようなページが複数できることがあります。この場合、評価分散をされてしまう可能性がありますので、同じようなことを書いているのであれば統合するか、片方を削除するか、片方をnoindexするか考えるべきです。

SEOライティングの話になりますが主語と述語は不自然ではない程度に明記することをお勧めします。ユーザーのための記事とはいえ、評価するのは検索エンジンです。検索エンジンにやさしくすることでSEO効果が見込めますし、文章は小学校5年生(10歳前後)でもわかるようにしようといわれています。

また、コンテンツを読ませるうえでユーザーに疑問や追加の欲求などができると想定される場合には適切なコンテンツへのリンクを作ることで回遊率とユーザー体験の向上が見込めます。

 

共起語

メインとなるキーワードで対策するのはもちろんですが、そのキーワードの共起語が何であるかを事前に調査し、自然に盛り込むようにしてください。SERPsに出てくる関連するキーワードやサジェストなども可能な限り網羅することでSEO効果が見込めます。

 

KWの設置位置

キーワードはなるべく近くに使うべきといわれています。例えば、「〇〇 必要書類」で対策する場合には〇〇と必要書類は文章の中で近くで使ってください。

例えば、「〇〇するにはAとBとCが必要書類です」よりも「〇〇の必要書類はAとBとCです」の方が近い位置にあるので強いといわれています。さらに完全一致の方が強いので「必要な書類」よりも「必要書類」を使うようにすべきです。

 

独自データ

可能であれば自社で持っている独自データ(統計データや調査データ)などを使って記事を書いてください。競合の記事をまとめただけでは記事の独自性が低く、評価されづらいことがよくあります。独自データがあれば積極的に出すようにし、ない場合には権威性のあるサイトから引用し、発信リンクをすることで評価が上がります。

 

ページ内リンク数

ページ内にはリンクが必ずあるはずです。このリンク数が適切かどうかは判断が必要です。多ければよい、少なければよいというわけではありませんが、あまりにも多すぎるのはマイナスです。

Googleは適切な内部リンクの数として、「ユーザーにとって適切な」数が必要とし、多い場合でも「100件」程度であれば全く問題ないと発信しています。あまりにも内部リンクが多いとページ評価が分散してしまいますが、関連しているなら多ければ多いほど良いというデータもあります。

 

情報の鮮度

古い情報に価値がないとは言いません。例えば、「2000年のメジャーリーグのメンバー」が狙ったキーワードなら古くてまったく問題ありません。しかし、多くの場合では最新情報が求められます。情報の鮮度が悪くなっていると感じたら修正することで上位表示が狙えます。

 

内部リンク

内部リンクは非常に重要な対策方法です。上階層、下階層、関連する同じ階層の別の記事への移動はスムーズに行える必要がありますし、カテゴリが違っていても関連するページがあれば積極的にリンクしたほうが望ましいです。リンクの際にはテキストリンクにしてキーワードを含めることが望ましいですが、画像リンクになっている場合にはalt属性を設定する必要があります。

テキストリンクと画像リンク以外にもリンクの方法はありますが、SEO効果を狙うという意味では不適切ですので修正が必要です。

※カテゴリをまたがってのリンクは本来は不適切です。サイト設計が誤っている可能性があるためです。ただし、必ずしも同じカテゴリにすべてが入るというわけではありませんので上記のように記しています。

 

動画の設置

動画の設置にはSEO効果があるといわれています。これは動画を置いたことが良かったのではなく、動画を見るユーザーが増えることで滞在時間が増え、これがユーザー体験として良いと評価された可能性が高いです。

動画を設置して、その動画の解説や文字起こしコンテンツなどを入れることで更にユーザー体験を向上させることができることがあります。

 

CVボタン

サイトには何かしらのコンバージョンポイントがあるはずです。CVボタンはコンテンツの上部なのか、下部なのか、記事内なのか、常時表示なのか、ポップアップなのか、モバイルではどうするべきなのかなど検討すべきことは山ほどあります。

 

価値の低いページ

価値の低いページを特定して統合、削除、noindexすることでSEO効果が見込めます。ただし、何をもって価値の低いと判断するかは議論の余地があります。

PV数が少なくても価値があるページであれば導線を改善することでPV向上がありえますし、その記事のPVが少なくても存在することそのものが全体の引き上げに繋がっていることがあります。

 

特殊文字

環境依存文字を使っている場合には避け、html特殊文字を使うようにしてください。環境依存文字は自分は見ることができてもユーザーには見えないということが起こりえます。ユーザー体験を考慮すべきです。

例:①ではなく&9312;を使う。♥ではなく♥を使う。 など

 

ページ更新

新規ページを作ったり、ページを書き換えたりした場合にはインデックス登録をリクエストが必要なことがあります。ある程度サイトが大きくなるとGoogle botも頻繁に見に来るようになりますが、特にオープン当初はインデックスを早めるためにも積極的な活用が求められます。

なお、ページの更新頻度はSEOには効果がないと長年いわれてきましたが、2020年の特に後半から、SEO界隈では更新頻度にSEO効果があるのではないかといわれるようになりました。Googleが明言していない以上はすべてが推測ではありますが、ページの更新が多いということは最新情報が多くなるということですのでユーザーにとってはプラスであることは間違いありません。

※以前はWEB master toolにFetcs as(フェッチアズ)という機能がありましたが、現在ではGSC(Google Search Console)に名称変更し、「URL検査」からできる「リクエスト」で同様のことが可能です。

 

サーバーその他について8項目

最後にサーバーやその他、SEO担当者が考えるべきことをご紹介します。

 

被リンク対応

自分達はクリーンな運営をしていてもスパムリンクがついたり、競合が足を引っ張ってくることはあります。滅多にありませんが、手動ペナルティを受けることもありますのでGSCで確認を行い、場合によってはリンク否認が必要です。また、関連サイトや公式サイトなどを持っている場合にはリンクをすることでSEO効果が見込めます。

意味のない自演リンクや相互リンク集への登録はスパム扱いになることが多いので絶対にNGです。

 

GA、GSC、GTMの設定

GAはGoogle Analytics(Googleアナリティクス)、GSCはGoogle Seach Console(Googleサーチコンソール)、GTMはGoogle Tag Manager(Googleタグマネージャー)の略です。GTMは場合によっては使わなくてもよいですが、GAとGSCはもはや必須です。無料ですので登録しない理由がありません。

必須ではありませんが、Bing webマスターツールの登録もお勧めいたします。

 

robots.txt

通常設定する必要はありませんが、botのアクセス制限をする場合にrobots.txtを設置することがあります。正しく設定しないと読み込むべきなのにindexされないというようなことが起きます。noindexとrobots.txtを併用する方もいますが、間違っていることもありますので慎重に設定してください。

 

ページスピード

ユーザー体験を向上させるうえでページスピードは重要です。Page Speed Insights、Gtmetrix、righthouse、Test My Siteなどのツールを利用し、修正してください。Lazy Loadやcss最小化、html最小化などをすることでさらに高速化ができます。

ユーザー体験を向上させる点でもプラスですが、2022年の時点ではページの表示速度もランキング要因です。

 

.htaccess

リダイレクト、正規化ができますが、それ以外にもキャッシュの制御、E-tag、g-zip、expireの設定などにより高速化が見込めます。

 

大変動チェック

Googleは定期的に大変動を起こします。その際に何が起きているのかを確認し、どのように対処するのかは極めて重要です。大変動はnamaz.jp、サクラサクラボ、MOZCAST、AccuRanker、Algoroo、SERPmetricsなどを使えば確認できますし、著名人のブログやGoogle公式情報などから対応策が見えることもあります。

 

サイテーション

サイテーション対策は近年効果が出るようになった施策です。SNSへの登録、Googleマイビジネスへの登録などは可能な限り行い、自社のブランディングや情報発信をしてください。

 

サーバー内サイト

極稀にですが、共有サーバーを利用している場合には同じサーバーにある別サイトが原因で自分のサイトの評価が悪くなるということがありえます。サイトの処理が適切でなくサーバーへの負担が極端に大きい場合などです。同じサーバーの別サイトはagusa.jpなどで確認できます。

ページ速度が改善しない場合にはサーバー移転も視野に入れる必要があります。

 

まとめ

以上、SEO担当者が知っておくべき知識について、58項目を簡潔にまとめました。全部で14000文字ほどですので項目数を考えれば、コンパクトにまとまっています。

まとめてはいますが、それぞれの領域でさらに細分化し、詳細をチェックして対策を繰り返すことがSEOです。テクニカル面だけではなく、ユーザビリティを考え、コンテンツの質を向上させ続けることも重要なSEO施策です。

読んでもよくわからない、もっと詳細を知りたいというような場合にはAdAIまでお問い合わせください。