検索エンジンは多数ありますが、SEOといえば事実上Google対策になっています。
日本の検索エンジンのシェアはGoogleが圧倒的1位で、次いでYahoo!Japan、Bingが利用されています。ただ、Yahoo!JapanはGoogleエンジンを利用していますので、実質的にはGoogleとBingしか使われていません。
しかも、Bingのシェア率は約10%ですので、Googleは検索エンジンのシェアの90%を取っているということになります。(参考:世界40カ国、主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】|アウンコンサルティング)
そして、SEO=Google対策だからこそ、Googleの発信情報を参考にすることで検索上位化のアイデアが出てくるはずです。
今回はGoogleの目指す未来の検索エンジンとGoogleの考え方についてAdAIがご説明いたします。
SEO対策とは
SEO対策とはSearch Engine Optimizationの略であり、日本語では検索エンジン最適化と訳されます。ただ、冒頭でも述べたとおり、日本のシェアの90%はGoogleが占めていますのでSEOでいうSearch EngineとはGoogleの検索エンジンのことを意味します。
検索エンジンの種類
日本の検索エンジンは事実上GoogleとBingだけですが、世界的には非常に多くの検索エンジンがあります。
中国ではBaidu(バイドゥ)、韓国ではNaver(ネイバー)、ロシアではYandex(ヤンデックス)など国によってGoogleに対抗している検索エンジンやGoogleよりも高いシェアを誇る検索エンジンもあります。
そのため、日本ではSEO=Google対策となっていますが、国によって攻略すべき検索エンジンは異なります。
また、現在ではyou.com、DuckDuckGo(ダックダックゴー)、Brave、Ecosia(エコシア)、StartPageといったプライバシーを重視した検索エンジンも出てきています。
2010年にYahooがGoogleエンジンを採用(これは本当に大事件でした)してから2022年まで10年以上Google1強となっていますが、将来的には異なる検索エンジンを対策する日が来るかもしれません。
SEOの今と昔
SEOとはGoogle対策ですので、SEOの変遷はGoogleとの戦いの変遷と言い換えられます。
Googleも時代と共に検索エンジンを進化させてきましたが、今と昔では精度がまったくちがいましたのでSEO対策の施策も大きく違っていました。
大きなところでいえば、昔のSEOはユーザーではなく検索エンジンに焦点を当てている対策が多く、外部リンクを自演で大量生産したり、中身のないコンテンツを大量に増やすことが主流でした。これは2017年頃までは平然とおこなわれていたSEOです。
SEO会社も積極的に検索順位を上げることだけを目的にした自演の外部リンクを大量に作って売っていたような時代です。
対して、今のSEOはユーザーに焦点を向けることが重要視されています。コンテンツの質を上げることはもちろんですが、ユーザー体験を向上させることが求められます。そのため、ページ速度向上や導線の改善はSEOにつながりますし、専門家が情報発信していることがサイトの信頼性を高めることにつながります。
このような変遷にともない、Googleも積極的に情報発信をしているため、Googleの公式情報を読み取ってサイト改善に務めることがWEB担当者に求められています。
Googleの検索エンジン
SEOを成功させるためにGoogleを理解する。そのためにはGoogleの検索エンジンを理解する必要があります。
Googleの基本的な考え方はユーザーファーストです。ユーザーのためになることをやることが最終的には検索上位化につながります。2010年頃から口を酸っぱくして検索エンジンを見るな、ユーザーを見ろと主張しているGoogleですので、今の対策で順位が上がっていたとしてもユーザーを見ていないのであれば早い段階で改善すべきです。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンの仕組みはクロール、インデックス、ランキングの3つが基本です。
すなわち、サイトを回遊し(クロール)、そのページが検索結果に出すに値するものかどうかを判断してデータベースに登録(インデックス)します。そして、データベースにあるサイトをどのような順番で表示すべきかを評価付け(ランキング)します。
クロールとは
クロール、インデックス、ランキングのどこが欠けてもSEOは失敗します。特にWEB担当者は順位や問い合わせ数に視点が偏りがちですが、まずは検索エンジンにクロールを促す必要があり、ここをわかっていないとそもそも始まりません。クロールを促すには導線をきちんと引いたり、サイトマップを用意したり、リクエストを送ったりする必要があります。
インデックスとは
そして、クロールがされたとしてもデータベースに登録されなければ意味がありません。特に2021年9月からはインデックスされない問題が非常に目立ちます。クロールされているのにインデックスされないということは記事に問題があるのが普通です。
記事に問題があるということは次のようなことを意味します。
- ・コピーコンテンツになっている
- ・低品質コンテンツである
- ・独自内容が含まれていない
特に後発でスタートしたメディアでSEOライティングが得意と自称するライターに依頼したりすると大体はうまくいきません。SEOが何かわかっていないことが多いからです。
こうした問題を解決するために、サイトの初期設計やコンテンツディレクション(編集作業)には一定以上の水準が必要になるため、この点はSEO会社に強力を求める必要があります。
ランキングとは
最後にランキングになりますが、順位がついているページが作れているのであれば、あとは順位を上げる施策を施す必要があります。よく、最初から高品質なコンテンツを作ろうと躍起になるメディアを見かけますが、高品質かどうかは検索エンジンが判断していますので検索上位陣の記事を元に書き換えてもうまくいきません。
高品質なコンテンツとは、ユーザーの悩みを解消するコンテンツのことです。検索上位陣はユーザーの悩みを解消できているので検索上位に表示されています。サイトの目的はそれぞれですので、1位〜10位の記事を組み合わせたコンテンツを作っただけではSEOとはいいません。それはサイトの目的が10通りあるのに無理やり1つに組み合わせているからです。
独自コンテンツが何1つない記事であれば公開する意味がありません。他のメディアを見ればいいからです。独自コンテンツとは他社の真似ではなく、自社の情報を提供する必要があります。これが本来のライティングです。
まずは完璧なコンテンツを作るのではなく、インデックスに値するコンテンツを作り、検索上位陣を参考にしてコンテンツを改良すべきといえます。
Googleの考え方
Googleの考え方はユーザーファーストです。その考え方が非常によくわかるのがgoogle.comです。誰もが入ると同時に検索フォームが目に入るような設計にしています。通常のサイトでは滞在時間を伸ばすために工夫をするものですが、Googleの場合はランディングしてから離脱までの時間を極力短くするように設計されています。
これはユーザーが見たいものはGoogleの検索フォームではなく、検索結果であること。もっといえば検索結果ではなく検索結果の先にある自分が求めている情報であることを知っているからです。
ユーザーが求めるものが何かを考え、目的から逆算した結果、このような形になったということです。Googleがこのような考え方を持っている以上は検索エンジンにも同様な考え方が適用されていると考えられます。
すると自身のサイトの設計や記事構成も必然的にユーザーファーストに従う必要が出てきます。この考え方を理解するところからSEOは始まります。
Googleの最新情報を手に入れる方法
Googleはかなり積極的に情報を公開しています。検索エンジンのアルゴリズムはさすがに公開していませんが、どのようなアルゴリズムになっているのかが伺えるような発言や発表は数多くあります。
検索エンジンをハックするという考え方はよくありませんが、設計思想を知ることで自身のサイト改善につながるはずです。
Google検索セントラルブログ
Google検索セントラルブログはGoogleのSEOに対する考え方が非常に色濃く載っている文書です。特に検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドはSEOを志すものは絶対に読むべきものですし、WEB担当者も知っておくことで何かと役立つはずです。
2010年頃はSEOをやるなら10回読め、10回読んだら100回読めといわれたほど重要な要素が数多く詰まっています。存在を知らない、読んだことがないという人はSEO界隈にいないと断言してもよい重要文書ですのでぜひ参考にしてください。
検索品質評価者ガイドライン
検索品質評価者ガイドラインは検索エンジンが正しく動いているかどうかを評価する人が読むガイドラインです。元々は非公開でしたが、たびたび流出したこともあり、現在ではGoogleが公式で公開しています。
検索品質評価者というのは、検索エンジンの改良の際にユーザーのためになる情報が提供できているのか、検索結果に出てきているサイトや記事が妥当かどうかを判断する人のことです。
入力したキーワードと検索結果が大きくずれることがないのは、この検索品質評価者が正しい目で判断しているからです。
このガイドラインが公開されているということは、内容を理解して評価者にこのサイトこそ上位表示されるべきなのに表示されていないということはおかしいと判断してもらうために役立つということです。
実際に、そこまでうまくいくことはありませんが、考え方を理解するためには一読することが求められます。ただし、すべて英語であり170ページ以上ある文書です。かなり難易度が高いため、少し古いですが(2022年1月時点では2021年10月版が最新)、アイレップが日本語訳した検索品質評価ガイドライン 2016年3月版をお勧めいたします。
Google Japanブログ
Google Japanブログはそのものズバリ、Googleの公式ブログです。SEOのことを発信しているブログではなく、サービス全般についてのブログではありますが基本的な考え方を理解するためには役立ちますし、世の中の流れを掴む意味でも参考になります。
海外SEO情報ブログ
海外SEO情報ブログは株式会社Faber Company(ミエルカで有名です)の取締役である鈴木謙一さんが運営している個人ブログです。個人ブログといえども更新頻度と内容の鮮度が抜群に高く、SEOについて発信している個人ブログとしては日本屈指(日本一?)です。
本当に最新の海外情報が入ってくるので、下手なメディアを読むよりも海外SEO情報ブログの記事をさかのぼって読んだほうが有益です。
Google関連のTwitter情報
サイト以外にもTwitterで有益な情報はたびたび出てきます。特にGoogleのコアアルゴリズムアップデートの情報が公式から出てきたり、アップデート後の現況についての発信はサイトよりも早かったりするのでチェックすべき項目です。
Google Japan(Twitter)
Google Japanの公式TwitterはGoogleの最新動向をチェックするために有益です。ただし、あまりSEOについて語られるわけではないので期待しすぎないことが重要です。
Twitterアカウント:https://twitter.com/googlejapan
Google公式
こちらはGoogle公式のTwitterです。英語ですので読みづらいところはありますが、やはり公式情報ですので最新情報をチェックできます。
Twitterアカウント:https://twitter.com/Google
Google Search Central
こちらもGoogle公式ですが、主にアルゴリズムについての発信が出ることがあるため特に重要度の高いアカウントです。
Twitterアカウント:https://twitter.com/googlesearchc
ジョン・ミューラー
ジョン・ミューラーはGoogleの中の人として有名です。具体的なSEOのアドバイスがあるわけではないですが、SEOの考え方という点では非常に参考になるものが多く、参照すべきです。
Twitterアカウント:https://twitter.com/johnmu