オウンドメディアを作ることは自体はそこまで難しくありません。サイト制作会社に依頼すれば、そこまで費用も時間もかからずに作れます。

オウンドメディアは運用が難しく、コンテンツを更新し続けるにはかなりの労力がかかりますし、費用対効果が悪いと判断されれば撤退ということもありえます。

将来的なリード(見込み顧客)を増やす意味ではとても有効なオウンドメディアですが、最初の体制をしっかりとしていなかったばかりに撤退ではもったいない話です。

そこでローカルアドがオウンドメディア運用のポイントをご説明いたします。

オウンドメディア運用の目的

引用元:https://baigie.me/officialblog/2020/01/23/owned-media-will-never-die/

 

オウンドメディアは自社保有のメディアですので、ブログであっても公式サイトであってもオウンドメディアです。ただ、日本ではWEBマガジンという意味で使われることが多く、コンテンツを配信し続ける型のサイトをオウンドメディアと呼ぶのが現状です。

オウンドメディアの目的はさまざまですが、最初に目的をはっきりとさせないと高い確率で失敗します。

よくいわれるオウンドメディアの目的は以下の5つです。

 

  1. 1.認知度の向上
  2. 2.リード(見込み客)の獲得
  3. 3.リードナーチャリング(見込み客の育成)
  4. 4.エンゲージメント(顧客との接触)の増加
  5. 5.ロイヤルティ向上

 

上記の5つのどれにあたるのかは明確にした方がよいですが、大きくわけると新規顧客の獲得、リードナーチャリング、メディアの資産化の3つに分類できます。

新規顧客の獲得

継続的に情報を配信し続けることで、ユーザーからの信頼を得て新規顧客につながりやすくなることがオウンドメディアの大きな目的の1つです。

広告を出すことでアクセスを集めることもできますが、広告流入では問い合わせにつながりにくい分野では、特にコンテンツSEOが有効です。

ユーザーのカスタマージャーニーマップを考えて、認知、興味関心、比較検討、購買などのあらゆるフェーズ用にコンテンツを作ることでユーザーニーズを満たし、新規顧客の獲得が可能です。

 

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、潜在顧客を見込み顧客に引き上げたり、見込み顧客を継続顧客に引き上げたりすることです。

一度アクセスしたユーザーがそのまま問い合わせをするということは稀ですが、アクセスするたびにメディアに対する信用度合いは高まり、最終的には問い合わせや継続したお付き合いが見込めます。

質の高いコンテンツを配信し続けるというオウンドメディアの特徴はリードナーチャリングを行うには最適な手法といえます。

 

メディアの資産化

広告は資金を投入することでアクセスを集めることができますが、資金を停めるとアクセスもなくなります。対して、オウンドメディアは配信しているコンテンツは企業の資産になりますので、継続した集客が見込めます。

一度作成したコンテンツはSNS、セミナー、メルマガ、ダウンロード資料、営業資料などあらゆる二次利用が可能ですので、作成したオウンドメディアは企業にとって重要な資産となります。

 

オウンドメディア運用のポイント

オウンドメディアを運用するうえでポイントになるのが、次の4点です。

 

  1. 1.メディアの運用目的の明確化
  2. 2.メディア運用プランと体制
  3. 3.成果までの必要期間
  4. 4.テーマの明確化

 

4つとも非常に重要なポイントですので、必ず明確に定めるようにしてください。

 

メディアの運用目的の明確化

先述いたしましたがメディアの運用目的の明確化は極めて重要度の高い項目です。目的なしにメディアを立ち上げても高い確率で失敗しますので、他の何を置いても目的だけは明確にしてください。

 

メディア運用プランと体制

メディアの目的が明確になったら、目的から逆算して運用プランと体制を整える必要があります。明確になった目標をタスクブレイクダウンして、細分化することで具体的に何が必要なのかが見えてきます。

稀に感覚でメディアを運営する人がいますが、感覚で成功できるのはメディア経験者だけだと思った方がよいです。業務の分解ができないうちに運用を始めてはいけません。

 

成果までの必要期間

オウンドメディアはSEOとSNSの両方での集客があり得ますが、将来的にはSEOでの集客をメインにすることが普通です。しかし、SEOには時間がかかりますので最低でも半年はアクセスがほとんどない期間が続くことは想定しておく必要があります。

半年というのは最低必要期間で、メディアとして具体的な成果が確認できるようになるまではコンテンツを50本程度公開したころになるはずです。

月10本の配信であれば5か月、月5本の配信であれば10か月かかる計算ですので必要期間は十分に確保しておいてください。

 

テーマの明確化

メディアを運営する場合、目的が明確になっていてもテーマが明確になっていないことが原因で失敗することがあります。SEOではサイト全体の最適化が必要ですので、一般的には雑記ブログよりも特化ブログの方が成功しやすいといえます。

これはオウンドメディアでも同様で、雑記メディア(書けるものは何でも書くメディア)よりも特化メディア(特定のジャンルに絞ってコンテンツを書くメディア)の方が高い確率で成功します。

キーワードは多少広くなっても構いませんが、テーマだけはぶれないようにしてください。

 

オウンドメディア運用に必要なコンテンツ

オウンドメディアの運用にはコンテンツが必要です。そのコンテンツはどのようなものでもよいわけではなく、目的とテーマを明確にして制作する必要があります。

しかし、SEO集客をしようとした場合には目的とテーマだけでは不十分です。オウンドメディアでは正しいキーワード設計をしたうえで高品質なコンテンツを作り続け、さらに定期的にリライトしてメンテナンスを続けなければなりません。

キーワード設計

オウンドメディアに限らず、キーワード設計はSEOの最重要ポイントの1つです。キーワード設計がうまくいかないとSEOは失敗すると断言できるほど重要です。

どのキーワードで上位化を狙い、コンテンツを制作するキーワードの優先順位を決め、競合調査したうえで戦えるキーワードと戦えないキーワードに分ける必要があります。

また、異なるキーワードでも実は1つの記事で集客できることがあるため、正しくグルーピングを行わないとキーワードカニバリといった評価分散を起こすことになり、サイト評価が正しく行われない可能性が出てきます。

狙うキーワードの周辺ワードを調べ、検索ボリュームを出して上から潰していくというやり方をするマーケティング会社も存在しますが、これは自社でオウンドメディア運用をする場合にはお勧めできない手法です。

 

高品質なコンテンツ

コンテンツの基本はユーザーの検索ニーズを満たすものであることです。

Googleは「Contents is King」と言い、コンテンツの重要性を主張していますが、まさにこれが現在のSEOの主流です。

ユーザーがどのような意図をもって検索しているのかを考え、その検索意図を十分に満たす記事を配信することで競合サイトよりも上位表示を狙うことができます。

コンテンツを作る際に競合サイトを参考にすることは構いませんが、競合サイトの内容をコピペして書き換えただけでは高品質なコンテンツとは言えません。そこには絶対に必要な独自性がないためです。

自社がユーザーに対して何を提供できるのか、ユーザーが本当に求めるものは何なのかを考えながらコンテンツを作ることで高い品質を担保できるようになります。

 

コンテンツタイプ

高品質なコンテンツが必要であることは先に述べましたが、高品質の意味はさまざまです。オウンドメディアで記事を作る場合には次の3つのどこに分類できるのかを考えて作る必要があります。

引用元:https://ppc-master.jp/labo/2018/12/tips_owned_media.html|株式会社デシタルアスリート

 

  1. 1.SEOコンテンツ
  2. 2.SNS向けコンテンツ
  3. 3.被リンク獲得用コンテンツ

 

SEOコンテンツとは、ユーザーの検索ニーズを十分に満たす内容を書くことで検索上位を狙う記事のことです。一般的なライティングは、このSEOコンテンツを作るライティングです。

SNS向けコンテンツとは、SEOによる上位化ではなくTwitterやFacebookによる拡散を目的としたコンテンツのことです。影響力のある人にライティングしてもらったり、企業コラボを行ったり、ネタ記事を企画したりとさまざまな手法がありますが、一言でいえばバズを狙ったコンテンツのことです。

被リンク獲得用コンテンツとは、SEOで上位化するための被リンクを獲得するために作ったコンテンツです。他のメディアからリンクを張ってもらうことを目的にしているため、検索順位やSNSでの拡散は度外視したコンテンツを作ることもあります。インタビューや統計情報の発信などがこれにあたります。

コンテンツのリライト

引用元:https://www.siteengine.co.jp/blog/content-marketing/rewrite/|サイトエンジン

公開したコンテンツは必ずリライト(書き直し)が必要です。これは公開した当初のコンテンツが悪いというわけではなく、公開して時間が経過すると情報の鮮度が落ちたり、新しい情報が必要になってきたりすることに起因します。

リライトをしなくても検索上位をキープし続けられることもありますが、多くのメディアでリライトによりアクセス増が見込めますので必ず行うべき作業といえます。

 

オウンドメディア運用で発生する業務

オウンドメディア運用で発生する業務は非常に多岐にわたります。基本的にはメディア責任者がいて、コーダー、デザイナー、コンテンツディレクター、ライターなどのチームを作ることが一般的ですが、企業によっては複数の業務を兼務したり、一部を外注したりすることもよくあります。

オウンドメディアを運用するうえで必要になる業務を列挙いたしましたのでご確認ください。

 

キーワード選定

最初に必要なのがキーワードの選定です。検索上位を狙うキーワードとその周辺キーワードを洗い出し、グルーピングすることで制作するコンテンツの数が見えてきます。この時に検索ボリュームも同時に調べることで、将来の想定アクセス数も計ることができます。

キーワード選定はオウンドメディア立ち上げ前に準備すべきことですが、運用するうえで新しいキーワードが必要になることは頻繁に起こり得ますので、定期的に見直すべきです。

 

コンテンツ制作

コンテンツの企画と制作はメディアを運用し続けるために必ず必要になります。

毎月公開する目標件数を定め、選定したキーワードの中から優先度の高いものから潰していきます。基本はコンテンツディレクターがキーワードを選び、構成を作ってからライターに依頼しますが、ライターが複数人いる場合には統一ルールを作っておかないとトンマナの合っていないチグハグなメディアになってしまいます。

そのため、コンテンツ制作マニュアルは可能な限り早い段階で作るようにしてください。

 

編集、校正

ライターからあがってきた記事を編集、校正するのもコンテンツディレクターの業務です。内容の正否を判断し、テーマに沿っているか、ユーザーが求めているものか、読みやすいかどうか、ルールは守っているかなどを確認して修正を行います。

ライターによっては手戻りの回数が多くなることもあるため、公開記事の数が多くなると非常に手間がかかり、業務の負担も大きくなるのが編集と校正作業です。

 

コンテンツのリライト

引用元:https://www.siteengine.co.jp/blog/content-marketing/rewrite/|サイトエンジン

記事を公開してしばらくは様子を見ますが、順位やアクセス数、問い合わせ数などは毎日チェックすべき項目です。順位が伸びないようであれば原因を究明し、リライトを検討する必要があります。

リライト作業はメディアが大きくなればなるほど検討対象記事が増えますので、一定の基準を設けて判断すべき項目です。そのためにも定期的にサイト分析を行い、競合と比較して改善を洗い出すべきといえます。

その他

直接的にはメディア運用とは関わりませんが、重要なのが広告、メルマガ、SNS、ホワイトペーパーなどの業務です。

オウンドメディア、ペイドメディア(広告)、アーンドメディア(SNS)のトリプルメディアは同時に行うことで相互作用があるため、資金や社内リソースが間に合うならば行うべき事項です。

ホワイトペーパーはユーザーを定期的に呼び込むために必要ですし、メルマガは現在でも通用する集客手法ですので、どちらも検討してください。

 

オウンドメディアの運用体制について

ここまで述べたようにオウンドメディアの運用は非常に手間と時間がかかるものです。企業によってはオウンドメディアの企画、サイト制作、記事制作、投稿、分析まですべての工程を外注するということもあります。

しかし、インハウスで行う場合には費用を抑えて行う必要があるため、できるだけ担当者で引き受けるべきです。どの作業を内製化し、どの作業を外注するのかを十分に考えたうえで継続できる体制を組まないことには成功は見えません。

もしオウンドメディアの運用で不安がある、わからないことがあるという場合にはローカルアドにご相談ください。メディアの立ち上げや戦略策定からコンテンツ制作まであらゆる工程でお力になれます。