オウンドメディアをインハウスで成功させるには大手メディアと戦ってはいけません。資金でも人的リソースでも敵わないためです。しかし、同業の大手メディアに勝てなくてもオウンドメディアで成功させることは可能です。

現実的な手法としては、自社でも運用できるだけの体制を作り、少ないリソースでも回せる仕組みを作ることです。

 

オウンドメディアとは

引用元:https://knowus.41web.jp/contentsmarketinting.html

オウンドメディアとは、企業が所有するメディアのことです。本来のメディアの定義は広く公式サイト、ブログ、WEBマガジンなどを含みますが、現在ではWEBマガジンのことを意味するようになりました。

オウンドメディアの目的は企業ブランディングだったり、リード(見込み顧客)の獲得だったりすることが多く、TwitterやFacebookのようなSNSを活用して情報発信と集客につなげるのが一般的です。

2014年頃からオウンドメディアが流行しだしましたが、2019年頃にはオウンドメディアが撤退しているという例もあります。(参照記事:続々消える「オウンドメディア」 人気記事もあるのに…閉鎖する理由は?

撤退する理由は簡潔にいえば以下の3点です。

 

  • ・コンテンツ制作コストの増加
  • ・独自性の担保
  • ・コンバージョンの確保

 

逆にいえば、コンテンツ制作費用が安く抑えられ、独自性が担保できるのであればオウンドメディアには成功するチャンス(コンバージョンが確保できるチャンス)があるということを意味しています。

 

オウンドメディアで成功する条件

オウンドメディアで成功するためには最低でも3つの条件が必要です。

 

  • ・目的から戦略を考えている
  • ・運用体制を構築している
  • ・戦略に合わせて施策を実行している

 

目的から戦略を考えている

オウンドメディアに限った話ではありませんが、何事も達成のためには目的(ゴール)から考えなければなりません。目的を明確に定めてからタスクに落とし(ゴールブレイク)、タスクを細分化して(タスクブレイク)、実効策を考える必要があります。

目的を明確にしないオウンドメディアはキーワードボリュームの多い順にコンテンツを作ったり、競合が取っているキーワードからコンテンツを作ったりするようになります。これは他メディアの真似であって戦略とはいいません。

※ビジネスにはTTPC(徹底的にパクッてカスタマイズする)という戦略も存在しますが、目的を作ることでTTP(徹底的にパクる)の対象メディアが決まりますので、目的は必ず必要です。

目的がないメディアは高確率で失敗しますので、何をしたいのか?なぜなのか?を最初に検討してください。

 

他メディアの真似だけでは失敗する

オウンドメディアで成功するには記事が一定数必要です。しかし、他メディアを真似する場合にはいつまで経っても記事数で追いつくことができず、成功が見えません。

そもそも他メディアと目的が違うのであればなおさら成功はしません。

オウンドメディアには目的を明確に設定し、目的(KGI)を達成するための指標(KPI)を設定し、達成度合いを確認しながら運用することが重要です。

 

運用体制を構築している

オウンドメディアは一般的にはチームで運用するため、一般的には次のような人員で構成されます。

 

  • ・ディレクター:メディア統括
  • ・マーケター:戦略設計
  • ・エンジニア:サイト構築
  • ・コーダー:サイト制作
  • ・デザイナー:サイト制作、WEBデザイン
  • ・コンテンツディレクター:コンテンツの編集者
  • ・ライター:コンテンツ執筆者

 

しかし、大手企業であればともかく、中小企業や零細企業では上記の人員すべてを集めることはできないことが普通です。

そのため、複数の業務を兼務したり、一部を外部に依頼したりの体制を組む必要があります。最低でも責任者を明確にしない場合には高確率で失敗します。

戦略に合わせて施策を実行している

目的を明確にし、体制を作ったら正しく戦略を実行する必要があります。目的からタスクに落とし(ゴールブレイク)、タスクを細分化(タスクブレイク)することで施策が出てくるはずですので、この流れを止めないようにディレクションする必要があります。

打った施策が必ずしも成功するとは限りませんので、随時分析と修正を繰り返しながら施策を打ち続ける必要がありますが、このときに戦略からずれてしまうようなことがあれば注意が必要です。

戦略は目的から考えられているものですので、本当にその施策が戦略に沿っているのかどうかは常に見直す必要があります。仮に当初の仮説が間違っているとなれば、どこが間違っていて戦略のどこを修正するのかまで戻る必要があるからです。

 

短期間で成果は求めない

SEO集客をメインでおこなうオウンドメディアの場合、集客や問い合わせが集まるまでには早くても半年はかかります。メディアとして正しく認知されるためには最低でも50記事は欲しいところため、必要期間は毎月の投稿記事数に大きく依存します。

そのため、短期間で成果を求めるようになると多くの場合で失敗します。成功しているといわれているオウンドメディアは2年~3年は運用を継続しているものがほとんどです。社会情勢やユーザーの嗜好を考えながら改善を繰り返して長期スパンで判断すべきでしょう

 

オウンドメディアの成功事例

オウンドメディアの成功事例を探せば検索で山ほど情報が出てきますが、インハウスで成功したオウンドメディアの成功事例はあまりありません。

SEO対策会社であるナイルは【成功事例】企業オウンドメディア9選!プロの視点で解説という記事でナイルが支援している会社のインハウスの例がありましたのでご紹介(一部転載)いたします。

 

三井住友カード株式会社

三井住友カードが所持しているゼロからはじめるクレジットカードというオウンドメディアは施策や記事制作はナイルが担当し、施策立案は三井住友カードがおこなうというセミインハウス体制で運営しています。

インハウスの悩みである人的リソース不足の一部をナイルに依頼する形でおこない、セミイハウスでの成功を実現しています。成功のポイントとして、記事では次のようにまとめています。

 

  • ・オウンドメディアを成功させるには、専任の担当者が中心となった体制構築が必須
  • ・集客施策、記事制作、施策立案といったポジションごとに、知見のある人材でチームを組んだ
  • ・体制構築できたことが成功のポイント

 

AdAIの支援事例

 

クライアントの意向によりメディアは非公開ですが、メディア立ち上げ前の企画の段階から支援をおこない、コンテンツ制作方法や内部リンクの最適化方法などを共有し、メディアがスタートしました。

2020年10月からスタートし、2021年6月までが伴走期間です(7月からは完全インハウス化)。8か月間で約6万PVにまで成長いたしました(上図参照)。

メディアで6万PVでは少ないと思う方もいるはずですが、到達できるPV数はキーワードやジャンルによって大きく異なりますので一概に多いとも少ないとも判断できません。

特筆事項としては、このメディアの設計までは協力しましたが、その後のコンテンツ制作、投稿、その他の作業をすべて1人でおこなったという点です。

つまり、前述した下記の役目すべてを1人で対応しています。

 

  • ・ディレクター:メディア統括
  • ・マーケター:戦略設計
  • ・エンジニア:サイト構築
  • ・コーダー:サイト制作
  • ・デザイナー:サイト制作、WEBデザイン
  • ・コンテンツディレクター:コンテンツの編集者
  • ・ライター:コンテンツ執筆者

 

完全インハウス化のあとは伸び悩みも見えますが、それでも毎月数万PVにまで成長しています。中小企業では他の業務との兼務が多く、専用のチームを組めないこともありますが、それでもこれくらいのメディアを立ち上げることは可能です。

 

オウンドメディアを立ち上げる前に

他社のオウンドメディアを参考にして、成功事例をベースに自社のメディアを検討することもよいですが、他社のメディアを客観的に見て成功要因を見つけ出すことは容易ではありません。

特に中小企業ともなると、それだけの時間を確保することもできないのが一般的です。オウンドメディアの立ち上げ前の調査には意外に時間と手間がかかり、ノウハウがない場合には結局わからなかったということも起こり得ます。

そうなる前にAdAIにご相談ください。