2020年10月にGA4(Googleアナリティクス4)がローンチされました。機能や測定方法などこれまでのUA(ユニバーサルアナリティクス、旧GA)と大幅に変わっている点があります。

UAはセッションごとの計測だったのですが、GA4はユーザーごとの計測でWebとアプリをまたいだ複数のデバイスでの計測が可能です。またGA4はプライバシー保護やセキュリティにも力をいれているのも特徴です。

 

GA4の特徴

GA4ででき、UAではできないことは以下のとおりです。

 

  • ・Webとアプリをまたいだデータ収集
  • ・イベント計測の自動設定
  • ・Cookieを使わないデータの取得
  • ・より具体的なマーケティング分析ができる

 

より具体的なマーケティング分析ができる

UAまでのGoogleのWEB分析ツールは、ページビュー数やセッション数、ユーザー数を測定するのが精一杯でした。そのため、コンバージョン率を出すためにはセッション数÷コンバージョン数で出していました。

しかし、8,000セッションがあったとしても、8,000人のユーザーとは限りません。近年ではスマートフォンやタブレットなど複数のデバイスを利用するユーザーが増えており、8,000セッションあっても実際は5,000ユーザーくらいの可能性もあります。

しかし、GA4ではセッションではなく分母はユーザー数となります。つまり、1ユーザーが複数のデバイスを使っても1カウントとなるためより具体的なコンバージョン率を出すことができ効率的なマーケティング分析をすることができます。

Googleでは以下のような表で、UAとGA4のレポートに関して比較をしています。

引用:[UA→GA4] ユニバーサル アナリティクスと Google アナリティクス 4 のデータ

 

Webとアプリをまたいだデータ収集

UAはセッションごとの計測となります。つまり1人でパソコン、スマートフォン、タブレットを持っている場合でも、セッションごとに計測をしなければいけません。しかし、現在では複数のデバイスを持っているユーザーは決して少なくありません。

そこでGA4ではユーザーごとに計測をできるようになりました。複数のデバイスやパソコン、スマートフォン、タブレットなどをまたいだクロスデバイスのユーザーにも対応しています。

 

イベント計測の自動設定

UAと比較してGA4では、ユーザー計測の自動設定がシンプルになりました。拡張計測機能があり、以下の項目で計測をするかどうか選ぶだけです。

UAでは離脱クリックや動画リンクのクリックなどの動きを分析するためには、手動でそれぞれのタグ設定が必要でした。スキルがないと設定ができなかったのですが、GA4では選ぶだけで実現できます。

 

  • ・ぺージビュー数
  • ・スクロール数
  • ・離脱クリック
  • ・サイト内検索
  • ・動画エンゲージメント
  • ・ファイルのダウンロード
  • ・クラウド保存が無料

 

ぺージビュー数

Webページが読み込まれたり、ブラウザの履歴が変更されるとぺージビューイベントを自動的にカウントさせることができます。

 

スクロール数

Webページの一番下までスクロールされた件数を、自動でカウント可能です。WEBページを一番下までスクロールするということは、ある程度WEBのコンテンツ内容に興味があるということです。そのため見込み率の高いユーザーに対して、どれだけの確率でコンバージョンにつなげているかどうか分析することができます。

またGoogleタグマネージャーを使うことにより、スクロールする場所(上から〇%の部分までスクロール)を設定することができます。近年ページの読了率を重要視しているメディアが多く、最後まで読んでくれたユーザーに対してセグメントすることができます。

ただコンバージョン率を出すのではなく、よりコンバージョンに近いユーザーの動きを分析しながらコンバージョンをあげるための施策をすることで、コンバージョン率の向上につながります。

 

離脱クリック

ユーザーがドメインを離れる動作をすると、離脱クリックをカウントしていきます。デフォルトで離脱につながるすべてのリンクが対象です。しかし、タグ付けの設定をすることにより、クロスドメイン設定が設定されたドメインのリンクにより離脱クリックのトリガーは発生しません。

近年ではさまざまな離脱防止ツールがあり、GA4と併用することにより離脱防止の効果測定をすることができます。WEBからの離脱率を下げることは、コンバージョン率の向上につながるため離脱クリックはマーケティングにおいて効果的です。

 

サイト内検索

Webサイト内で検索をすると、検索結果の表示イベントがカウントされます。検索対象のパラメータ調整をすることができます。

サイト内検索の検索キーワードを確認することにより、WEBを訪問しているユーザーのニーズをつかむことができます。ユーザーのニーズをつかむことのより、WEBを改善することができます。

GA4にキーワードを解析する機能がなかったのですが、キーワード解析ツールであるサーチコンソールと連携することができるようになりました。そのためWEBサイトのオーガニック検索結果を、GA4で分析することができます。

さらに検索結果においてのWEBサイトの順位、ユーザーがクリックすることにつながったクエリ、コンバージョン率などさまざまな分析ができるようになります。

GoogleではGA4とサーチコンソールの統合により、できるようになったことを以下のようにまとめています。

  • Google オーガニック検索クエリ: 検索クエリと、リンクされた Search Console プロパティに関連する Search Console 指標が表示されます。Search Console のディメンションごとにデータの詳細を確認できます(アナリティクスのディメンションごとに確認することはできません)。データは Search Console でも確認することが可能です。
  • Google オーガニック検索トラフィック: ランディング ページと、関連する Search Console およびアナリティクスの指標が表示されます。国やデバイスのディメンションごとにデータの詳細を確認できます。

引用:[GA4] Search Console との統合(アナリティクスヘルプ)

 

動画エンゲージメント

サイトに埋め込まれた動画をユーザーが見るごとに、再生イベントや進捗イベントが記録されます。エンゲージメント(engagement)は約束といった意味になりますが、マーケティングでは、企業とユーザーの関係性のことをいいます。ユーザーのSNSやアプリなどの満足度を表す指標がエンゲージメントです。例えばFacebookであれば、リーチ数やいいね数、コメント数などが評価対象となっており、エンゲージメント率は「(いいねやコメント、シェアなどの合計)÷投稿をリーチした数)」となります。

GA4にはYouTube動画を計測できる仕組みがあります。デフォルトで計測できるようになっていますが、以下の2点が有効になっていないと測定ができないのでご確認ください。

 

  • ・Youtube JS APIサポート
  • ・拡張計測機能にある動画エンゲージメント

 

デフォルトではすべての動画を測定するようになっていますが、設定をすることで選択した動画の、動画再生時間や視聴完了などユーザーの行動を確認することができます。

 

ファイルのダウンロード

文書やアプリケーション、動画などダウンロードにつながるリンクをクリックするとファイルダウンロードイベントとして記録されます。

 

クラウド保存が無料

アナリティクスで収集したデータを、UAでもGA4でもクラウドに保存することができます。UAでは有料だったのですが、GA4では無料で利用することができます。クラウドにアナリティクスで収集したデータを保存することによって、Googleアナリティクス以外で取得したデータと組み合わせて分析することも可能です。

 

Cookieを使わないデータの取得

UAではCookieを使ってデータ取得をしていました。しかし、Cookieを通したサーバ攻撃が世界的に増えており、ユーザーのプライバシー保護の観点から規制が進められています。

GA4はCookieを利用してデータを習得するわけではないため、Cookie規制が進んでも影響することはありません。

 

UAとGA4の違いとは

UAとGA4にはデータの計測方法やプライバシー対応など違う点が多くあります。UAのサポートが2023年7月に終了することから、GA4に搭載される機能は今後も増えていくことが予想されます。

 

データの計測方法

ライフスタイル分析を導入するために、データの計測方法がUAとは大幅に違います。UAは1ページあたりのセッション、購入数などのデータを計測する方法でページを基準とした計測方法が特徴です。

しかし、G4はユーザーを基準とした計測方法に変更になりました。つまりユーザーごとに利用したデバイス、閲覧したページ、購入などの行動について計測することができます。

ページを基準にした計測方法ではなくなったのですが、直帰率や離脱率は設定すれば確認することができます。

UAはヒットでデータを受け取って、セッションベースに変換する方法です。しかし、GA4はすべての項目においてイベントとしてデータ収集をおこないます。そのためGA4ではページビューやスクリーンビューもイベントとして計測されます。

この時点で、UAとGA4はまったく違うツールということがわかります。

出典:[UA→GA4] ユニバーサル アナリティクスと Google アナリティクス 4 のデータ(アナリティクスヘルプ)

Googleにおいてセッションとは以下のように定義されています。

セッションとは、ユーザーが一定の期間内に行うすべてのアクションを指します。たとえば、ユーザーがウェブサイトにアクセスし、リンクをクリックして商品を購入するとします。Google アナリティクスでは、ユーザーがウェブサイトまたはモバイルアプリから 30 分以上移動しなかった場合、これらのアクションはすべて 1 回のセッションとみなされます。30 分経過すると、アクションが新しいセッションとしてカウントされます。

ユーザーとは、1 つ以上のセッションでウェブサイトまたはモバイルアプリに対してアクションを行った個人を指します。

引用:[GA4] セッション数の算出方法(アナリティクスヘルプ)

ユーザーが一定の期間内におこなうすべてのアクションを指しているのですが、「ウエブサイトまたはモバイルアプリ」とあり、もしユーザーが両方のデバイスを行き来した場合は、2回のセッションとしてカウントされます。

そのため、カウントされたセッション数とユーザー数に開きがでてしまい、具体的なマーケティングの資料にすることができません。しかし、GA4はユーザー数が基準であることから、より具体的なコンバージョン率を出すことができます。

 

サイドバー

UAのサイドバーに表示されているレポートは、以下の5項目でした。

 

  • ・リアルタイム
  • ・ユーザー
  • ・集客
  • ・行動
  • ・コンバージョン

 

GA4には「レポートのスナップショット」の項目が追加されていました。この項目のなかには以下の3つの項目があります。

 

  • ・リアルタイム
  • ・ユーザー
  • ・ライフサイクル

 

指標を計測時の定義

GA4では直帰率や離脱率、他にもディメンションのランディングページがなくなりました。指標の計測に関してセッション時間の制限がUAでは24時間だったのですが、GA4では無制限になりました。

また、セッションの長さですが、UAでは最後のページ表示時間と最初のページ表示時間の差が対象になりましたが、GA4ではイベントを開始したときに、イベントSession_Start(セッションスタート)で計測をしていきます。

Session_Startはデフォルトで設定されているため、設定をする必要はありません。また、トラッキングコードであるgtag.jsを設置することにより、セッションを開始したときに自動的に計測が開始されます。

UAで日付をまたぐ場合は新しいセッションになります。GA4では、日付が変わってもセッションを引き続き利用することができます。

 

BigQueryとの連携

BigQueryとの連携はこれまではGA360(Googleアナリティクス360、有料版Googleアナリティクス)だけ無料対象だったのですが、GA4でも無料版で連携できるようになりました。

BigQueryと連携をすると、アナリティクスで整形する前のデータまで分析をすることができます。毎月10GBまでのデータ保存、1TBまでのデータ取得が無料になります。

 

レポートの様式

UAとGA4では、レポートの様式が大きく変わっています。GA4では集計用レポートと、分析用レポートに分けることができます。集計用のレポートは、セグメントで絞ることはできないので全体的なデータの把握に向いています。

またセグメントを利用する場合や指標を選択する場合は、分析用のレポートを使うことになります。

 

プライバシー対応の違い

GA4では、GDPR(General Data Protection Reguration、一般データ保護規則)やCCPA(California Consumer Privacy Act、カリフォルニア州消費者プライバシー法)に準拠しており、規制の厳しい地域でも活用することができます。

 

GDPRとは

EU加盟国にノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインとEU非加盟国を加えたEEAのエリア内において個人データ保護を規制している法律です。これらのエリアの企業やユーザーだけが対象なのではなく、これらの地域に住んでいる人が購入する可能性があるWEBサイトは対象になります。

もし違反すると高い金額の罰金やそのほかの罰則があるため、十分に気を付ける必要があります。GA4ではこのGDPRに対応しています。

 

CCPAとは

GDPRを受けて、アメリカのカリフォルニアにてプライバシー保護が目的の法律(CCPA)ができました。カリフォルニアのユーザーに対してリターゲティング広告をする場合は対象になるので、十分気を付ける必要があります。GA4はCCPAにも対応しています。

 

GA4でできないこと

これまでUAを使っていた人は、GA4で使えなくなることもあるので最初は慣れないかもしれません。UAでできてGA4でできないことは、以下の点が挙げられます。

 

  • ・Google Search Consoleとの連携
  • ・AMPページの計測

 

ただし、Google Search Consoleとの連携は、2021年12月より関連付けができるようになりました。そのためGA4ではキーワード分析が可能となります。

 

Google Search Consoleとの連携

以前はGA4ではGoogle Search Consoleとの連携はできなかったのですが、2021年12月以降可能になりました。このように現在ではGA4で対応していなくても、次々とさまざまな項目が対応できるようになっています。

 

AMPページの計測

GA4は2022年3月現在、AMPをまだサポートしていないためAMPページのトラフィック計測は不可能です。そのため現在AMPを導入している場合は注意が必要ではありますが、今後AMP対応をするのではないかと予測されています。

 

UAプロパティは廃止される

ここまでUAとGA4の比較をしてきましたが、2023年7月1日にUAは終了されます。2022年3月16日にGoogleから公式の発表がありました。(参考:ユニバーサル アナリティクスのサポートは終了します(アナリティクスヘルプ)

このためサポート終了の前に、GA4で計測できるように準備しておくことが必要です。

2023年7月1日にサポートが終了したあと、時期は決まっていないのですがUAにログインができなくなります。そのため早めにGA4の利用を開始しないと、Googleが運用するWEB分析ツールが利用できないことになります。また、UAのデータをGA4に移行することができないことや使い勝手はUAとGA4はまったく違うため早めにGA4の開始をすることをGoogleも推奨しています。

2022年3月現在、UAのサポート終了まで2023年7月まで時間があると考えがちですが、1年前のデータと比較をしている企業にとっては、2022年のうちにGA4を使いこなせていないといけません。

 

まとめ

2020年に登場したGoogleアナリティクス4はユニバーサルアナリティクス(旧GA)とは大幅に異なります。GA4はWebとアプリをまたいだ計測や、複数のデバイスを使った計測をユーザーごとにすることができ、ユーザー行動の計測が簡単になったり、データのクラウド保存が無料になったりするなど、さまざまな機能面でのメリットがあります。

GA4はこういった機能面で便利になったことだけでなく、Cookieを使わない、世界基準に準拠したプライバシー保護を導入するなどプライバシーやセキュリティにも力を入れています。

これまでのGoogle Search Consoleとの連携のように、UAしかできなかった機能もGA4で次々と可能になっています。

しかし、UAは2023年7月1日にデータ収集ができなくなります。そのためGoogleでは、GA4を利用する準備を着々と進めています。現在UAのみを使っている、もしくはUAとGA4の使い分けをしているユーザーも、GA4だけを利用する準備をする必要があります。