2022年9月13日にGoogleはコアアップデート(コアアルゴリズムアップデート)をおこないました。アップデートの完了には1週間~2週間かかるといわれておりますので、9月末頃までは順位変動する可能性があります。
ただし、今回のアップデートの影響は大きくはなく、サイトや業界によってピンポイントで動いているものと思われます。真っ当なサイト運営している場合には特段大きな変化は見られないという報告が多くあるアップデートです。
コアアップデートとは
コアアップデート(コアアルゴリズムアップデート)とはGoogleが定期的におこなう検索アルゴリズムの大幅変更のことです。多くの場合、コアアップデートは初日から3日程度の間に大きく変動し、徐々に動きが緩くなっていき、2週間を目途に完了します。
Googleは検索エンジンの結果を非常に重視しているため、細かな調整であれば検索アルゴリズムは毎日のようにおこなわれています。しかし、広範囲なアップデートについては、経験上1年間に2回~4回ほどおこなわれることがわかっています。(前回は2022年5月26日なので約110日ぶりのアップデートです。)
2019年6月4日のコアアップデートからはGoogle公式のTwitterにて事前告知がなされるようになり、今回の9月13日アップデートも告知が確認できています。
9月13日コアアップデートの告知
上記のように9月13日時点のGoogle公式TwitterにてThe September 2022 core updateがなされることが告知されています。
GoogleはコアアップデートがあるとTwitterで告知すると同時に、アップデート後にGoogle検索セントラルにて公開しています。(ただし、すべてが日本に影響するとは限りません。)
各SEOツールの動き
検索順位がどのように動いたかの統計情報は海外のさまざまなツールにより確認することができます。ツールによって収集キーワードが異なりますので、グラフが一致することはありませんが、ほとんどの場合でコアアップデートのタイミングで大きく動きます。
ただし、今回のアップデートは(現時点では)海外でも影響範囲は一部にとどまっていることが確認できます。
mozcast
mozicast(モズキャスト)の動きを見ると9月13日前後でほとんど動きはなかったことがわかります。直前と比較すれば多少の動きはありますが、グラフを見る限り大変動という印象はありません。
serpmetric
serpmetrics(サープメトリックス)は9月13日の時点で大きく動いていることが確認できます。ただし、アップデートする前の9月7日に動いている揺れと同程度であることから、大変動とまではいえない様子です。
Semrush Sensor
Semrush Sensor(セムラッシュセンサー)では9月13日前後に明らかに大きな動きが確認できています。ほかのツールと動きが異なるのは収集キーワードが異なっているためと推測できますので、業界や特定のサイトによっては大きく動いているということです。
AccuRanker
AccuRanker(アキュランカー)は9月13日時点でやや大きな動きを見せています。8月下旬のほうが大きく動いていますが、これはHelpful Contents Update(ヘルプフルコンテンツアップデート)という英語圏限定のアップデートの影響を受けているためです。8月と比較した場合には今回はやや小さな揺れしかおこっていないことがわかります。
Algoroo
Algorooの動きを見ると平常どおりの動きしか確認できません。
2022年9月13日コアアップデートの傾向
今回のコアアップデートの影響範囲は現時点では不明です。大きく動いたという報告がそこまで大きくないためです。ただ、日本メディアには影響報告は少なくとも、海外メディアではいくつか事例がございます。
Search Engine Journalの反応
サーチエンジンジャーナルでは、8月のヘルプフルコンテンツアップデートの強化版ではないかという憶測に対して、そんなことはないだろうという否定的意見を示しています。
ヘルプフルコンテンツアップデートでは検索エンジンではなくユーザーのためにコンテンツを作ることを示唆しています。業界的には今更ですが、2022年時点でも検索エンジンのためにコンテンツを作っているメディアが後を絶たないためと考えられます。
今回のアップデートでヘルプフルコンテンツを加速させるという憶測はありますが、憶測にすぎないようです。(参考:Google Announces September 2022 Core Algorithm Update)
Search Engine Landの反応
サーチエンジンランドでは、コアアップデートがあった旨を周知していますが、現時点では特段おこった動きや対策方法については触れておりません。(参考:Google releases September 2022 broad core update)
Search Engine Roundtableの反応
サーチエンジンラウンドテーブルでは、今回のアップデートで20%~60%のトラフィック減少が確認できたという報告があります。それだけ大きく影響したということですが、ほかのメディアで減少報告が少ないことを考えると本当に限定的に動いている可能性があります。(参考:Google September 2022 Broad Core Update Is Live – What We Are Seeing Now)
特に印象的だったtweetには次のものがあります。
訳:トラフィックは減っているのですが(約20%)、ランキングをチェックしてもほとんど同じです…。おそらく、私はターゲットキーワードではなく、周辺クエリから順位を失っている。
ランキングには影響しないものの20%のトラフィックを失っている、とあります。ここで注意したいのはchecking my rankingsとあるように、発言者が観測しているキーワードのランキングが変わっていないというだけであり、観測していないキーワードではランキングが大きく落ちている可能性があるということです。
ロングテールキーワードを対策することは極めてSEO効果が高いため、多くのメディアで実施しているコンテンツSEOの手法ですが、観測していない周辺ワードがどうなっているのかはGoogle Search ConsoleやSEMrushのようなツールで確認することで、下落キーワードが特定できる可能性を示唆しています。
まとめ
2022年9月13日のコアアップデートは、日本では大きな動きは観測できていません。しかし、海外ではトラフィックが大きく減少したという報告があり、YMYL領域のように一部の業界では検索順位が大きく下落したという報告もあります。毎回のことですが、アップデートにより順位変動が起きていることは間違いありません。
しかし、コアアップデートで順位が落ちるということは、反対に順位が上がったサイトがあるということを意味しています。
上記は今回のアップデートを境に評価が進んだサイトの事例です(すべて弊社のクライアント様です。キーワードはマスクしていますが、掲載許可ありがとうございます。)
また、下記はもともと評価されていたものの、今回のアップデートを境にさらに評価が進んだサイトの事例です。(同様に、弊社クライアントのサイトです。掲載許可ありがとうございます。)
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また、下記はもともと評価されていたものの、今回のアップデートを境にさらに評価が進んだサイトの事例です。(同様に、弊社クライアントのサイトです。掲載許可ありがとうございます。)